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テキスト/基礎知識/第3節 少子高齢化

第3節 少子高齢化

第3章 社会

日本は世界でも有数の少子高齢社会であり、社会保障制度や労働問題に大きな影響を与えています。行政書士試験の基礎知識では、少子高齢化の現状と、これに対応する社会保障制度雇用・労働問題の理解が求められます。本節では、社会保障の仕組みと現代の労働課題を学びます。

1

少子高齢化の現状と背景

簡単にいうと

なぜ日本はこんなに「子どもが少なくてお年寄りが多い」社会になったの? 合計特殊出生率や高齢化率の数字と、その背景にある社会構造の変化を一緒に見ていきましょう。

少子化とは、一人の女性が生涯に産む子どもの平均数(合計特殊出生率)が低下し、出生数が継続的に減少している現象を指します。日本では1989年に合計特殊出生率が1.57を記録し、それまで最低だった1966年(丙午)の1.58を下回ったことで社会的衝撃となりました。この出来事を「1.57ショック」と呼びます。その後も低下傾向は続き、2023年には過去最低となる1.20を記録しました。少子化の背景には、晩婚化・晩産化・未婚率の上昇・育児と仕事の両立困難・子育てにかかる経済的負担・価値観の多様化などの複合的な要因があります。

高齢化とは、65歳以上人口の割合(高齢化率)が高まる現象です。日本は1970年に高齢化率が7%を超えて「高齢化社会」に突入し、1994年に14%を超えて「高齢社会」、2007年には21%を超えて「超高齢社会」となりました。現在の高齢化率は約29%で、世界で最も高い水準にあります。高齢化が急速に進んだ背景には、医療技術の進歩による平均寿命の延伸と、少子化による若年層の割合の低下が同時に進行したことがあります。

特に重要な問題として「2025年問題」があります。1947年〜1949年生まれの「団塊の世代」(約800万人)が2025年までに全員75歳以上(後期高齢者)となることで、医療・介護需要が急激に増大すると予測されています。さらに「2040年問題」として、団塊の世代の子ども世代にあたる「団塊ジュニア世代」(1971年〜1974年生まれ)が65歳以上になる2040年頃に高齢者数がピークを迎え、現役世代との比率がさらに悪化することが懸念されています。こうした少子高齢化の同時進行は、社会保障財政・労働力不足・地域社会の維持など多方面にわたる問題を引き起こしています。

具体例

1989年(平成元年)の合計特殊出生率1.57ショック。2023年の1.20(過去最低)。日本の高齢化率は約29%で超高齢社会。2025年に団塊の世代が全員後期高齢者(75歳以上)になる「2025年問題」。

ポイント整理

  • 合計特殊出生率:1人の女性が生涯に産む平均子ども数
  • 高齢化社会:高齢化率7%以上14%未満(日本は1970年)
  • 高齢社会:高齢化率14%以上21%未満(日本は1994年)
  • 超高齢社会:高齢化率21%以上(日本は2007年、現在約29%)
  • 少子化の背景:晩婚化・晩産化・未婚率上昇・経済的負担・育児と仕事の両立困難

効果

  • 社会保障財政の悪化(現役世代の負担増)
  • 生産年齢人口の減少による経済活力の低下
  • 医療・介護需要の急増(2025年問題)
  • 地方の過疎化・地域社会の維持困難
段階
高齢化率の基準
日本が到達した年
現状
高齢化社会
7%以上〜14%未満
1970年(昭和45年)
通過済み
高齢社会
14%以上〜21%未満
1994年(平成6年)
通過済み
超高齢社会
21%以上
2007年(平成19年)
現在約29%(世界最高水準)

重要メモ

  • 「合計特殊出生率が低下し少子化進行・高齢化率28%超で「超高齢社会」・少子化の主因は晩婚化・非婚化・経済的理由」
  • 合計特殊出生率:1人の女性が生涯に産む子の平均数——人口維持には約2.07が必要・日本は低下傾向(近年1.2台)
  • 少子化の背景:晩婚化・非婚化・子育てコストの増大・女性の社会進出と育児の両立困難
  • 高齢化率:総人口に占める65歳以上の割合——7%超で「高齢化社会」・14%超で「高齢社会」・21%超で「超高齢社会」・日本は28%超
  • 2025年問題:団塊の世代(1947〜1949年生まれ)が全員75歳以上(後期高齢者)となる年——医療・介護需要の急増が予測された
  • 人口減少社会:少子化の進行により日本の総人口は2008年をピークに減少——労働力不足・社会保障の持続可能性が課題
2

社会保障制度の概要と4本柱

簡単にいうと

社会保障って何? 一口に「社会保障」といっても年金・医療・介護・生活保護など色々あります。行政書士試験では「社会保障の4本柱」の分類と内容が問われます。

社会保障制度とは、病気・ケガ・老齢・失業・障害・貧困など様々な生活上のリスクに対して、国が現金給付や医療サービスを提供することで国民の生活を保障する制度の総称です。日本の社会保障制度は、①社会保険、②公的扶助、③社会福祉、④公衆衛生の4つの柱で構成されています。

第1の柱「社会保険」は、被保険者が保険料を拠出し、一定の事由(老齢・疾病・失業・労働災害・介護)が発生した際に給付を受ける仕組みです。医療保険・年金保険・雇用保険・労働者災害補償保険・介護保険の5種類があります。第2の柱「公的扶助」は、生活に困窮する者に対して国が税財源から最低限度の生活を保障するもので、生活保護制度がその代表です。第3の柱「社会福祉」は、身体障害者・知的障害者・高齢者・ひとり親家庭などに対して、特別なサービスを提供する制度です。第4の柱「公衆衛生」は、感染症対策・環境衛生・母子保健など、国民全体の健康水準を維持・向上させる活動です。

社会保障関係費は国の歳出の中で最大の項目を占め、近年では歳出総額の約3割に達しています。少子高齢化の進展により、社会保障給付費の増大は今後も続く見込みであり、給付と負担のバランスをどう保つかが大きな政策課題となっています。「全世代型社会保障」という考え方のもと、高齢者だけでなく現役世代・子育て世代も含めた制度設計への見直しが進められています。

具体例

社会保険(医療保険・年金・雇用保険・労災・介護保険)、公的扶助(生活保護)、社会福祉(障害者福祉・児童福祉)、公衆衛生(感染症対策・母子保健)。

ポイント整理

  • 社会保険:被保険者の保険料負担+国庫補助で運営・5種類(医療・年金・雇用・労災・介護)
  • 公的扶助:税財源・国の責任・最低生活保障(生活保護法)
  • 社会福祉:要支援者(障害者・高齢者・児童等)へのサービス提供
  • 公衆衛生:感染症対策・環境衛生・健康増進

効果

  • 社会保障関係費は国の歳出の最大項目(約3割)
  • 少子高齢化により給付費増大が続く
  • 全世代型社会保障への転換が政策課題
財源
対象
代表例
社会保険
保険料+国庫補助
被保険者全員
医療保険・年金・雇用保険・労災・介護保険
公的扶助
税金(国・地方)
生活困窮者
生活保護(最低生活費の補填)
社会福祉
税金+一部利用者負担
要支援者(障害者・高齢者・児童等)
障害者総合支援法・老人福祉法・児童福祉法
公衆衛生
税金
国民全体
感染症対策・母子保健・環境衛生

重要メモ

  • 「社会保障の4本柱:社会保険・公的扶助・社会福祉・公衆衛生——少子高齢化で制度の持続可能性が課題」
  • 社会保険:保険料を前提とした相互扶助——医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5分野
  • 公的扶助:税を財源とした最低生活保障——生活保護制度(資力調査あり)
  • 社会福祉:要支援者への対人サービス——児童福祉・高齢者福祉・障害者福祉など
  • 公衆衛生:国民全体の健康水準向上——感染症対策・食品衛生・母子保健など
  • 社会保障財源:保険料+税(国・地方)の組み合わせ——少子高齢化で給付増・保険料負担増・財政悪化の「三重苦」
  • 全世代型社会保障:高齢者中心の給付構造を見直し、子育て・若者世代への給付を充実させる方向性
3

年金制度・介護保険制度の仕組みと改革

簡単にいうと

「年金って結局どういう仕組みで、少子高齢化でどう変わるの?」「介護保険は誰が払って誰がもらえるの?」行政書士試験では年金の財政方式・マクロ経済スライド・介護保険の被保険者の種類が頻出です。

公的年金制度は、現役世代が支払った保険料で同時代の高齢者の年金を賄う「賦課方式」を採用しています。自分の保険料を積み立てて将来の自分の年金に充てる「積立方式」とは異なり、賦課方式はインフレに強い反面、現役世代の減少と高齢者の増加という少子高齢化の影響を直接受けて財政が悪化します。日本の公的年金は「2階建て」構造で、20歳以上60歳未満の全国民が加入する「国民年金(基礎年金)」を1階部分とし、会社員・公務員が加入する「厚生年金」を2階部分とします。

少子高齢化への対応として、2004年の年金制度改革で「マクロ経済スライド」が導入されました。これは、現役世代の被保険者数の変化(減少)と平均余命の伸びを反映して給付水準を自動的に抑制する仕組みです。また、受給開始年齢の選択肢も65歳を標準としつつ、60歳からの繰り上げ受給や75歳までの繰り下げ受給も選択可能となっています。在職老齢年金制度(働きながら年金を受け取る場合に一定額以上で支給停止となる制度)も見直しが続いています。

介護保険制度は、1997年に介護保険法が制定され、2000年からスタートしました。高齢者の介護を社会全体で支えることを目的とした社会保険制度です。保険者は市区町村で、被保険者は65歳以上の第1号被保険者と40歳以上65歳未満の第2号被保険者(加齢に伴う特定疾病がある者)の2種類に分かれます。保険料は年金から天引きされるか医療保険の保険料と合わせて徴収されます。介護サービスの利用者負担は原則1割(一定所得以上の者は2割または3割)です。介護保険の保険者は国や県ではなく市区町村であることが試験で頻出です。

具体例

現役世代3人で高齢者1人を支える時代から、将来は1.5人で1人を支える構造に変化。マクロ経済スライドにより年金の実質的な給付水準は毎年少しずつ抑制される。介護保険の保険者は市区町村(国・都道府県ではない)。

ポイント整理

  • 賦課方式:現役世代の保険料で同時代の高齢者の年金を賄う
  • 国民年金(基礎年金):20歳以上60歳未満の全国民加入・1階部分
  • 厚生年金:会社員・公務員が加入・2階部分
  • マクロ経済スライド:2004年導入・被保険者数減少・平均余命伸びに応じて給付水準を自動抑制
  • 介護保険の保険者:市区町村
  • 第1号被保険者:65歳以上・原因問わず要介護認定で給付
  • 第2号被保険者:40歳以上65歳未満・加齢に伴う特定疾病による要介護の場合のみ給付

効果

  • 賦課方式は少子高齢化で財政悪化(現役減少・高齢者増加)
  • マクロ経済スライドにより実質給付水準が抑制される
  • 介護保険の利用者負担:原則1割(一定所得以上は2割・3割)
  • 介護保険給付費は高齢化とともに急増
制度・方式
財政の仕組み
少子高齢化への影響
主な対応策
公的年金(賦課方式)
現役世代の保険料→同時代の高齢者へ
現役減少・高齢者増加で直接財政悪化
マクロ経済スライド・受給開始年齢の弾力化
企業年金・iDeCo(積立方式)
自分の保険料を積み立て将来の自分へ
少子高齢化の影響を受けにくい
加入促進・税制優遇の強化
介護保険
保険料(65歳以上+40〜64歳)+公費
要介護高齢者の増加で給付費が急増
地域包括ケアシステム・保険料・負担割合の見直し

重要メモ

  • 「年金は賦課方式で現役世代が高齢者を支える・マクロ経済スライドで給付抑制・介護保険は2000年施行・保険者は市区町村」
  • 公的年金の財政方式:賦課方式——現役世代の保険料が即座に高齢者等の給付に充当される
  • マクロ経済スライド(2004年導入):少子高齢化に対応して年金給付水準を自動的に抑制する仕組み——現役人口減少率+平均余命伸び率分を給付増率から差し引く
  • 年金支給開始年齢の引き上げ:厚生年金の支給開始年齢を段階的に引き上げ——最終的に65歳へ統一
  • 介護保険の改革:2005年・2011年・2014年・2017年・2021年と改正を重ね、給付の重点化・地域包括ケアシステムの構築を推進
  • 地域包括ケアシステム:高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援を包括的に提供する体制
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生活保護制度の仕組みと3原則

生活保護法(1946年制定)

簡単にいうと

「生活保護」って住所がない人でも受けられるの? 誰がどこで申請するの? 生活保護の「3原則」と「補足性の原理」は行政書士試験でも出題されます。

生活保護制度は、生活に困窮する者に対して、困窮の程度に応じ必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長することを目的とした制度です(憲法25条が根拠)。1946年に生活保護法が制定され、現行の生活保護法は1950年に制定されました。

生活保護制度の運用は3つの原則に基づいています。第1は「居住地保護の原則」で、生活保護は現在住んでいる場所の自治体が行うこととされており、住民登録の有無は関係ありません。第2は「世帯単位の原則」で、生活保護は原則として世帯全体で保護が必要かどうかを判断します。同じ世帯に所得の高い親族がいる場合でも、個人を単位として保護の要否が判断されることもあります。第3は「補足性の原則」で、収入・資産・能力・あらゆるものを生活のために活用してもなお、最低生活費(最低生活費)に足りない場合に、その不足分を補う形で保護が行われます。

生活保護の扶助の種類は、生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助の8種類です。費用は国と地方自治体が共同で負担し(国3/4・自治体1/4)、受給者数は少子高齢化・経済格差の拡大に伴い増加傾向にあります。少子高齢化との関係では、高齢単身世帯が受給者の最大層を占めており、老後の貧困問題として深刻化しています。2013年には生活困窮者自立支援法が制定され、生活保護に至る前の段階での支援強化が図られました。

具体例

ホームレス状態でも現在いる場所の自治体で生活保護を申請できる(居住地保護の原則)。同じ世帯に資産家の親族がいても、個人の生活困窮状態が認められれば保護対象となる(世帯単位の原則の例外的運用)。

ポイント整理

  • 居住地保護の原則:現在いる場所の自治体が担当(住民票不要)
  • 世帯単位の原則:原則として世帯全体で保護の要否を判断
  • 補足性の原則:資産・能力・収入を活用してもなお最低生活費に不足する分を補填
  • 8種類の扶助:生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭

効果

  • 最低生活費の不足分を補填(超過分は給付しない)
  • 費用負担:国3/4・地方1/4
  • 受給者数は高齢単身世帯が最大層・少子高齢化で増加傾向

条文(第生活保護法(1946年制定)条)

憲法第25条:すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

原則
内容
試験でのポイント
居住地保護の原則
現在住んでいる場所の自治体が担当(住民登録不要)
住民票がない人・ホームレスも申請可能
世帯単位の原則
原則として世帯全体で保護の要否を判断
世帯に高収入の者がいても個人が生活困窮なら保護対象になりうる
補足性の原則
資産・能力・あらゆるものを活用してもなお最低生活費に不足する分を補う
最低生活費を超える部分は給付されない(超過分補填ではなく不足分補填)

重要メモ

  • 「生活保護の基本原理:①国家責任の原理②無差別平等の原理③最低生活の原理④保護の補足性の原理——3原則(居住地・世帯単位・補足性)と対応」
  • 国家責任の原理(1条):国が生活に困窮するすべての国民の最低限の生活保障に責任を負う
  • 無差別平等の原理(2条):すべての国民は、この法律の定める要件を満たす限り、無差別平等に保護を受けられる——理由・原因を問わない
  • 最低生活の原理(3条):健康で文化的な最低限度の生活を維持できる保護水準——憲法25条の生存権を具体化
  • 保護の補足性の原理(4条):資産・能力・扶養・他法律による給付をすべて活用した上で補足する——他の制度より後順位
  • 保護の開始申請:本人または扶養義務者が福祉事務所に申請——申請がなくても職権で開始できる場合あり(要保護者発見時)
5

少子化対策と全世代型社会保障

簡単にいうと

「全世代型社会保障」って何が変わるの? こども家庭庁とか「異次元の少子化対策」って試験に出るの? 政府の最新の少子化対策の流れを整理しましょう。

少子高齢化への政策対応は、主に2つの方向から進められています。一方は「少子化対策」として出生率を回復させ将来的な人口の維持を目指す方向、もう一方は「高齢化対策」として社会保障制度の持続可能性を確保する方向です。

少子化対策の歴史を振り返ると、1994年の「エンゼルプラン」(保育サービスの充実を中心とした5カ年計画)に始まり、1999年の「新エンゼルプラン」、2003年の「少子化社会対策基本法」・「次世代育成支援対策推進法」の制定と続きました。2015年には「ニッポン一億総活躍プラン」のもとで希望出生率1.8の目標が掲げられました。2023年には少子化対策・子ども支援施策を一元的に担う「こども家庭庁」が設立され、岸田政権は「異次元の少子化対策」として児童手当の拡充(所得制限の撤廃・高校生までの拡大)、保育所の整備、育児休業取得の促進などを打ち出しました。

社会保障の持続可能性確保については、2019年に「全世代型社会保障」の考え方が示されました。これは、従来の高齢者中心の社会保障から脱却し、全ての世代が支え合う制度への転換を目指すものです。具体的には、後期高齢者(75歳以上)の医療費窓口負担を一定所得以上の者について1割から2割へ引き上げ(2022年〜)、介護サービスの自己負担見直し、現役世代の保険料負担の軽減などが実施されています。後期高齢者医療制度は2008年から導入された75歳以上を対象とした独立した医療保険制度です。

具体例

2023年設立のこども家庭庁が「異次元の少子化対策」を推進。児童手当の所得制限撤廃・高校生まで拡大(2024年〜)。後期高齢者医療制度の窓口2割負担化(2022年・一定所得以上の者)。

ポイント整理

  • エンゼルプラン(1994年):保育サービス充実5カ年計画
  • 少子化社会対策基本法(2003年):少子化対策の基本理念
  • 次世代育成支援対策推進法(2003年):企業・自治体に行動計画策定を義務付け
  • こども家庭庁(2023年設立):少子化対策・子ども支援の一元化
  • 全世代型社会保障(2019年〜):高齢者も含む全世代で社会保障を支える
  • 後期高齢者医療制度(2008年〜):75歳以上が加入する独立した医療保険

効果

  • 児童手当の拡充(所得制限撤廃・高校生まで対象)
  • 後期高齢者の医療窓口負担:一定所得以上は2割負担(2022年〜)
  • 保育所整備・育児休業取得促進
制度・政策
内容
エンゼルプラン
1994年
保育サービス充実を中心とした少子化対策5カ年計画
少子化社会対策基本法
2003年
少子化対策の基本理念・推進体制を規定
後期高齢者医療制度
2008年開始
75歳以上を対象とした独立した医療保険制度(保険者:後期高齢者医療広域連合)
全世代型社会保障
2019年〜
高齢者も支え手として参加する社会保障への転換
こども家庭庁
2023年設立
少子化対策・子ども支援施策の一元的な担い手
後期高齢者2割負担化
2022年〜
一定所得以上の75歳以上の医療窓口負担を1割→2割へ

重要メモ

  • 「少子化対策:保育所整備・育休取得促進・児童手当・こども家庭庁(2023年)・全世代型社会保障=高齢者偏重の見直し」
  • 少子化対策の変遷:エンゼルプラン(1994年)→新エンゼルプラン→子ども・子育て支援法(2012年)→こどもまんなか政策
  • こども家庭庁(2023年設置):子ども政策を一元的に担う省庁——内閣府の外局として設置
  • 保育所整備:待機児童解消のための保育の受け皿拡大——「保育の受け皿整備」は少子化対策の重要柱
  • 児童手当:中学校修了まで支給——2024年改正で所得制限廃止・高校生まで拡充・第3子以降の加算増額
  • 全世代型社会保障改革:高齢者給付中心の社会保障を見直し、現役世代・子育て世代への投資を拡充——岸田内閣以降の政策方向
  • こどもの貧困対策:ひとり親家庭・生活困窮世帯の子どもへの支援強化——学習支援・食事支援等
6

雇用・労働問題と女性活躍推進

育児・介護休業法、女性活躍推進法(2015年)

簡単にいうと

「M字カーブ」って知ってる? 出産・育児で女性が一度仕事を辞めて再就職するパターンのことです。産後パパ育休とか育児休業給付の数字も試験によく出ます。

従来の日本では、女性の就業率が20代後半から30代にかけて低下し、40代以降に再び上昇するM字型の曲線(M字カーブ)が見られました。これは出産・育児を機に離職する女性が多いためです。近年は育児休業制度の充実・保育所の整備・意識変革が進み、M字カーブはほぼ解消されて台形型に近くなっています。ただし、管理職に占める女性の割合は依然として国際的に低い水準にとどまっており、女性活躍推進法(2015年)により企業に行動計画の策定・公表が義務付けられています。

育児・介護休業法は、働く男女が育児や家族の介護のために休業できる権利を保障する法律です。育児休業は、子が1歳になるまで(保育所に入所できない等の場合は最長2歳まで延長可)取得できます。2022年10月には「産後パパ育休(出生時育児休業)」が創設されました。子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)まで、2回に分割して取得でき、育児休業中でも一定条件のもと就業が可能です。

育児休業中の所得保障として、雇用保険から「育児休業給付金」が支給されます。給付水準は休業前賃金の最初の180日間は67%、その後は50%です。2025年には男性の産後パパ育休期間中の給付率を80%(手取りでほぼ10割相当)へ引き上げる改正が予定されています。介護休業は、要介護状態にある家族1人につき通算93日まで(3回まで分割可)取得できます。

具体例

産後パパ育休(2022年10月〜):子の出生後8週間以内・最大28日・2回分割可・育休中の就業も一定条件で可能。育児休業給付金:最初の180日は休業前賃金の67%、以降は50%(2025年〜産後パパ育休期間は80%)。

ポイント整理

  • 育児休業:子が1歳まで(保育所不承諾等で最長2歳まで延長可)・父母どちらも取得可
  • 産後パパ育休(出生時育児休業):2022年10月創設・子の出生後8週間以内・最大4週間・2回分割可
  • 産前休業:出産予定日前6週間(多胎は14週間)・本人申請
  • 産後休業:出産翌日から8週間(原則就業禁止)
  • 女性活躍推進法(2015年):301人以上の企業に行動計画策定・公表を義務付け

効果

  • 育児休業給付金:最初の180日は67%・以降50%(雇用保険から支給)
  • 産後パパ育休の給付率:67%(2025年〜80%に引き上げ予定)
  • 介護休業:1つの対象家族につき通算93日(3回まで分割可)
制度
期間・内容
所得保障(給付率)
産前休業
出産予定日前6週間(多胎は14週間)・本人申請
健康保険の出産手当金(賃金日額の3分の2)
産後休業
出産翌日から8週間(原則就業禁止)
健康保険の出産手当金(賃金日額の3分の2)
育児休業
子が1歳まで(最長2歳まで延長可)・父母とも可
雇用保険の育児休業給付金(最初の180日67%・以降50%)
産後パパ育休(出生時育児休業)
子の出生後8週間以内・最大4週間・2回分割可(2022年10月〜)
雇用保険の育児休業給付金(67%・2025年から80%へ引き上げ予定)
介護休業
対象家族1人につき通算93日・3回まで分割可
雇用保険の介護休業給付金(休業前賃金の67%)

重要メモ

  • 「女性活躍推進法(2015年)・男女雇用機会均等法・育児・介護休業法の三本柱で職場の男女平等を推進」
  • M字カーブ問題:日本の女性労働力率が結婚・出産期(30代)に低下するグラフの形——近年は改善傾向
  • 女性活躍推進法(2015年制定・2022年改正):301人以上(→101人以上)の企業に行動計画策定・公表義務・えるぼし認定制度
  • 男女雇用機会均等法:雇用における性差別を禁止——セクハラ・マタハラ防止措置義務
  • 育児・介護休業法:育休・介護休業を通じた仕事と家庭の両立支援——産後パパ育休(2022年)で男性育休取得を促進
  • パートタイム・有期雇用労働法(2020年):正規・非正規間の不合理な待遇差禁止——非正規女性労働者の保護にも寄与
  • 男性の家事・育児参加:「家事育児の男女分担」が少子化対策の鍵——男性育休取得率を政府目標として設定

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
少子高齢化
出生率低下と高齢化率約29%
合計特殊出生率と高齢化率の数値を混同しない
社会保障制度
社会保険・社会福祉・公的扶助・公衆衛生の4本柱
社会保険と公的扶助の財源(保険料vs税)を区別
年金・介護保険
年金は2階建て、介護保険は40歳以上加入
介護保険の第1号・第2号被保険者の違いに注意
雇用・労働問題
女性活躍推進法は301人以上に義務
従業員数の基準を正確に記憶すること
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