行政罰
ぎょうせいばつ
ひとことで言うと
行政上の義務違反に対して制裁として科される罰のこと。刑事罰である行政刑罰と、金銭罰である秩序罰の2種類がある。
くわしく解説
行政罰とは何のためにあるの?
行政罰とは、行政上の義務に違反した人に対して、制裁(ペナルティ)として科される罰のことです。
ポイントは、「義務を守らせるための強制手段ではなく、違反したことへの制裁」という点にあります。似たような制度に行政上の強制執行がありますが、こちらは義務を履行させることが目的です。行政罰は、違反という「過去の行為」に対するペナルティなのです。
2つの種類を押さえよう
行政罰には大きく分けて2種類あります。
①行政刑罰があります。これは刑法に定める刑罰(懲役・罰金・科料など)を科すものです。無免許運転や食品衛生法違反など、比較的重大な義務違反に対して適用されます。刑事訴訟法の手続きに従い、裁判所が科します。
**②秩序罰(過料)**があります。こちらは届出義務違反など、軽微な義務違反に対して科される金銭罰です。刑罰ではないため前科にはなりません。行政庁が科すのが原則ですが、法律に基づく過料は非訟事件手続法により裁判所が科します。
行政刑罰と秩序罰の違いは?
両者の違いを整理しましょう。
行政刑罰は、刑法総則が適用され、故意・過失が必要です。また、刑事訴訟法の手続きで裁判所が科します。
秩序罰は、刑法総則の適用がなく、手続きも簡易です。行政庁または裁判所が科しますが、前科にはなりません。
試験で狙われるポイント
試験では、行政刑罰と秩序罰の違いがよく問われます。特に「刑法総則の適用があるか」「誰が科すか」「前科になるか」という点を正確に覚えましょう。また、同一の行為に対して行政刑罰と秩序罰を併科できるかという論点も頻出です。両者は性質が異なるため、併科は可能と解されています。
具体例で考えよう
ケース①:無免許での飲食店営業
飲食店を営業するには保健所の許可が必要です。許可を受けずに営業したとします。これは食品衛生法違反となり、懲役や罰金という行政刑罰の対象になります。裁判所で刑事裁判を受け、有罪になれば前科がつきます。
ケース②:届出を忘れた住所変更
引っ越しをしたのに、法律で義務付けられている届出を怠ったとします。これは届出義務違反として**秩序罰(過料)**の対象になります。刑罰ではないので前科にはなりませんが、金銭的なペナルティを受けることになります。
試験対策ポイント
「行政罰」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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