公用制限
こうようせいげん
ひとことで言うと
公共目的のために私人の財産権に制限を加えるが、所有権自体は残したままにする行政作用のこと。
くわしく解説
公用収用とどう違うの?
まず、似た言葉の「公用収用」との違いを押さえましょう。
公用収用は、道路を作るために土地を強制的に買い取るなど、所有権そのものを取り上げる行為です。一方、公用制限は、所有権は残したまま、使い方に制限をかけるだけです。
ポイントは、「あなたの土地はあなたのまま。でも、公共のために使い方だけは我慢してね」という考え方にあります。
どんな種類があるの?
公用制限には、大きく分けて以下のような種類があります。
①公用使用:私有地を一時的に使わせてもらうこと。災害時に民有地を避難場所として使う場合などです。
②公用負担:特定の義務を課すこと。建築基準法による建物の高さ制限などが該当します。
③公物制限:公物(道路や河川など)の周辺にある私有地に制限をかけること。河川沿いの土地で建築が制限される場合などです。
損失補償はもらえるの?
ここが試験で問われやすいポイントです。
公用制限を受けた場合、常に損失補償がもらえるわけではありません。補償が必要かどうかは、「特別の犠牲」に当たるかどうかで判断されます。
社会全体で広く受け入れるべき一般的な制限(例:建築基準法による制限)であれば、原則として補償は不要です。しかし、特定の人だけが著しく不利益を受ける場合には、憲法29条3項に基づいて補償が必要になります。
試験対策のポイント
試験では、「公用収用」と「公用制限」の違いがよく問われます。所有権を奪うのか、制限だけなのかをしっかり区別しましょう。また、損失補償との関係で、特別の犠牲という基準を覚えておくことが重要です。
具体例で考えよう
ケース①:都市計画による建築制限
あなたが所有する土地が都市計画の区域内にあり、「この土地には3階建て以上の建物を建ててはいけない」という制限がかけられたとします。土地の所有権はあなたのままですが、使い方が制限されています。これは公用制限の典型例です。
ケース②:河川沿いの土地への制限
あなたの土地が河川のすぐそばにあり、洪水対策のために「この範囲には建物を建てないでください」と指定されたとします。土地を取り上げられたわけではありませんが、利用が制限されています。これも公用制限に該当します。
試験対策ポイント
「公用制限」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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