制限行為能力者制度
せいげんこういのうりょくしゃせいど
ひとことで言うと
判断能力が不十分な人を保護するため、その人が単独でした契約などを取り消せるようにする制度のこと。
くわしく解説
そもそもなぜこの制度があるの?
契約は本来、自由に結べるのが原則です。でも、判断能力が不十分な人が不利な契約を結ばされてしまったら、どうでしょう? それを防ぐために、判断能力が不十分な人を保護するのがこの制度の目的です。
ポイントは、「契約の自由は大事。でも、判断能力が足りない人を放置するのは不公平だ」という考え方にあります。
4つのタイプを押さえよう
制限行為能力者には、判断能力の程度に応じて4つのタイプがあります。
①未成年者:20歳未満の人(民法改正後は18歳未満)。原則として法定代理人の同意が必要です。
②成年被後見人:判断能力がほとんどない人。ほぼすべての行為が取り消せます。
③被保佐人:判断能力が著しく不十分な人。重要な財産行為(借金、不動産売買など)に保佐人の同意が必要です。
④被補助人:判断能力が不十分な人。本人が申し立てた特定の行為について補助人の同意が必要になります。
取り消せるのがポイント
この制度の最大の特徴は、制限行為能力者が単独でした契約を後から取り消せることです。ただし、相手方を保護するため、制限行為能力者の詐術(自分は能力者だと嘘をついた場合)には取消しが認められません。
試験では、どのタイプがどんな行為をすると取り消せるのか、詐術の要件は何かが頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:未成年者の高額な契約
17歳の高校生が、親の同意を得ずに50万円のパソコンを分割払いで購入する契約を結んだとします。この契約は、未成年者が法定代理人(親)の同意なく行ったものなので、後から取り消すことができます。
ケース②:成年被後見人の不動産売却
認知症が進行して成年後見人が付いている父が、後見人の同意なく自宅の土地を売却する契約を結んだとします。成年被後見人が単独で行った法律行為は、日用品の購入を除いて取り消すことができるため、この売却契約も取り消せます。
試験対策ポイント
「制限行為能力者制度」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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