制限行為能力者の詐術
せいげんこういのうりょくしゃのさじゅつ
ひとことで言うと
制限行為能力者が、自分には能力があると嘘をついて相手を騙した場合に、その行為を取り消せなくなる制度のこと。
くわしく解説
どうして「詐術」が問題になるの?
未成年者や成年被後見人などの制限行為能力者は、通常は自分がした契約を取り消すことができます。でも、もし制限行為能力者が「私は成年です」と嘘をついて相手を騙していたら、その取消しを認めるのは不公平ですよね。
そこで民法21条は、制限行為能力者が詐術(だますこと)を使った場合には、取消しができなくなると定めています。「保護に値しない者は保護しない」という考え方です。
「詐術」にあたるのはどんな場合?
単に「私は成年です」と言っただけでは、詐術とは認められません。相手が信じてしまうような積極的な工作が必要です。
具体的には、①偽造した同意書を見せる、②身分証を偽造して提示する、③繰り返し成年だと言い張るなどが該当します。
ポイントは、相手が「これなら信じても仕方ない」と思えるほどの積極的な行為があったかどうかです。単なる黙秘や消極的な態度では詐術にはなりません。
試験での頻出ポイント
「詐術を使った制限行為能力者は取り消せない」という結論だけでなく、どの程度の行為が詐術にあたるかという判断基準が重要です。相手方の保護と本人の保護のバランスをどう取るかが、試験でもよく問われます。
具体例で考えよう
ケース①:偽造した親の同意書を提示
17歳の未成年者が、親の同意書を偽造してバイクを購入したとします。販売店はその同意書を見て、親の了解を得ていると信じて契約しました。この場合、未成年者は積極的に相手を騙す工作をしているため、詐術にあたります。したがって、この契約は取り消すことができません。
ケース②:単に「成年です」と口頭で言っただけ
19歳の未成年者が、店員に「何歳ですか?」と聞かれて「20歳です」と答えただけで契約したとします。特に証明書などは提示していません。この程度では、相手が信じたのは軽率だと評価されるため、詐術にはあたりません。未成年者は契約を取り消すことができます。
試験対策ポイント
「制限行為能力者の詐術」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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