A行政法行政事件訴訟
原告の死亡と免職処分の取消訴訟
最高裁判所1974-12-10
訴えの利益訴訟承継一身専属的権利免職処分給料請求権相続
免職処分と死亡後の訴訟承継
図解でわかる

事案の概要
公務員が免職処分を受けて、その取消しを求める訴訟を起こしました。しかし、裁判の途中でその公務員本人が亡くなってしまいました。そこで、公務員の地位という権利は本人だけのものなので、訴訟を続ける意味があるのか、また相続人が裁判を引き継げるのかが問題となりました。
争点
公務員の免職処分取消訴訟の進行中に原告が亡くなった場合、訴えを続ける利益(訴えの利益)はなくなってしまうのか、また相続人が代わりに訴訟を引き継げるのかが問われた。
判旨
公務員としての地位そのものは本人だけに帰属する権利(一身専属的な権利)なので相続できないが、処分が取り消されれば、死亡までの期間に本来受け取れたはずの給料などの財産的な権利が回復される可能性がある。この財産的利益は相続できるため、訴えの利益は消滅せず、相続人が訴訟を承継(引き継ぐこと)できる。
関連法令の解説
行政事件訴訟法における取消訴訟の訴えの利益と訴訟承継に関する判例。公務員の身分は一身専属権だが、処分取消により回復される財産的利益(給料など)は相続の対象となるという理論が示された。
身近な例え
会員資格は本人限定だけど、退会させられた期間の会費返金は相続人がもらえる、というイメージです。
ざっくりまとめ
要するに、公務員の地位自体は相続できないけど、処分が取り消されれば死亡までの給料がもらえる可能性があるから、その財産的利益のために相続人が訴訟を引き継げるってこと!
試験対策ポイント
【重要ポイント】 ①公務員の地位=一身専属的権利→相続できない ②しかし処分取消により回復される財産的利益(給料等)→相続可能 ③よって訴えの利益は消滅せず、相続人による訴訟承継が認められる ④一身専属権でも、付随する財産的利益があれば訴訟承継可能という理論を押さえる ⑤「訴えの利益」の判断は、単に地位の回復だけでなく財産的効果も含めて考える
音声で聴く
プレミアム会員限定