S行政法行政事件訴訟
建築確認取消請求事件
最高裁判所1984-10-26
訴えの利益建築確認工事完了取消訴訟法的効果の消滅
建築確認は工事完了で効力消滅
図解でわかる

事案の概要
ある建築物について建築確認が下りて工事が完了した後、その建築確認の取消しを求める訴訟が提起されました。しかし建築確認は工事着手前の適法性を確認する行政行為であり、工事が完了すればその役割は終わります。そのため、完了後に確認を取り消しても意味がないのではないかが争われた事件です。
争点
建築確認を受けた工事がすでに完了している場合、その建築確認の取消しを求める訴え(取消訴訟)を起こす法律上の利益(訴えの利益)は残っているといえるか。
判旨
建築確認は、工事着手前に建築物が法令に適合しているかを確認する行政行為(行政機関が行う法律的判断・決定)にすぎず、工事が完了するとその法的効果は失われる。そのため、完了後に建築確認を取り消しても申請者が直接得られる法律上の利益はなく、訴えの利益は消滅すると判断された。
関連法令の解説
行政事件訴訟法における「訴えの利益」(原告適格)の問題です。取消訴訟を提起するには、処分を取り消すことで原告が回復できる法律上の利益が必要とされます。
身近な例え
映画館の入場券をチェックしてもらうようなもの。映画を見終わった後に「入場許可を取り消せ」と言っても、もう意味がないですよね。
ざっくりまとめ
要するに、建築確認は工事前のチェックだから、工事が終わっちゃったら確認を取り消しても何の意味もない。だから訴えの利益が消滅するってこと!
試験対策ポイント
【試験での重要ポイント】 ①訴えの利益は取消訴訟の訴訟要件である ②建築確認は工事着手前の適法性確認行為にすぎない ③工事完了により建築確認の法的効果は失われる ④完了後の取消しでは申請者の法律上の利益は回復しない ⑤したがって工事完了により訴えの利益は消滅する ※「事後的な違法確認」だけでは法律上の利益とは認められない点に注意
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