A憲法精神的自由
「月刊ペン」事件
最高裁判所1981-04-16最判昭56.4.16
名誉毀損公共の利害に関する事実私人の私生活表現の自由刑法230条の2
私人の私生活も公共性あり
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事案の概要
月刊誌「月刊ペン」が宗教法人の代表者の私生活上の行動を記事にしたところ、名誉毀損だとして訴えられた事件です。出版社側は「公共の利害に関する事実だから免責される」と主張しましたが、相手方は「単なる私生活のことで公共性はない」と反論しました。最高裁は、私人の私生活でも一定の場合には公共性が認められると判断しました。
争点
一般の個人(私人)の私生活に関する出来事であっても、名誉毀損の免責要件である「公共の利害に関する事実」にあたることがあるのか、というのがこの事件の争点です。
判旨
「公共の利害に関する事実」とは、社会の人々がその内容を知ることで公益につながる事実のことです。裁判所は、たとえ一般の個人(私人)の私生活上の出来事であっても、その内容の性質・社会への影響・公表のされ方などによっては、「公共の利害に関する事実」にあたると判断できる場合があると示しました。この事件では、宗教法人の代表者の私生活が団体の運営に影響を与えるものとして、これに該当すると認められました。つまり、「私人だから関係ない」とは一概に言えず、その人の立場や影響力によっては公共の問題として扱われることがある、ということです。
関連法令の解説
憲法21条1項の表現の自由に関する判例です。名誉毀損の免責要件である「公共の利害に関する事実」の範囲、特に私人の私生活上の出来事がどこまで含まれるかが争点となりました。
身近な例え
学校の生徒会長の私生活での問題行動は、一般生徒のそれより「みんなが知るべきこと」として扱われやすいのと似ています。立場が公共性を生むのです。
ざっくりまとめ
要するに、たとえ一般人の私生活のことでも、その人の立場や影響力次第では「社会が知るべき公共的な事実」として認められることがあるってこと!
試験対策ポイント
【試験で押さえるポイント】 ①私人の私生活上の事実も「公共の利害に関する事実」にあたり得る ②判断基準:その事実の性質・内容、当事者の社会的地位・影響力、公表によって受ける影響の程度などを総合考慮 ③本件では宗教法人代表者という立場が重視された ④表現の自由と名誉保護のバランスを図る判例として重要 ⑤単なる私事か公共事かの二分論ではなく、個別具体的な判断が必要
関連法令
憲法21条1項
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