A憲法精神的自由
教科書検定事件
最高裁判所1993-03-16
教科書検定検閲表現の自由学問の自由教育を受ける権利行政裁量国家賠償
教科書検定制度は合憲
図解でわかる

事案の概要
歴史教科書の著者が、文部省(当時)の教科書検定で不合格とされたことに対し、この検定制度は憲法が保障する表現の自由、学問の自由、検閲の禁止に違反すると主張して訴えを起こしました。国が教科書の内容を事前にチェックして合否を決める制度が、憲法に反するかが問われた事件です。
争点
国が教科書の内容を審査・承認する教科書検定制度が、教育を受ける権利(憲法26条)、表現の自由(憲法21条)、学問の自由(憲法23条)に違反するか、また検閲(事前の内容審査による発表禁止)にあたるかが問われた。
判旨
国は必要かつ相当な範囲で教育内容を決定できるため教科書検定は憲法26条に違反しない。検定不合格でも一般書として出版できるため検閲にもあたらない。表現の自由も公共の利益のために合理的な制限を受けるため憲法21条1項にも違反せず、教科書は学術発表の場でないため憲法23条にも違反しない。検定処分の違法性は文部大臣の裁量権逸脱があった場合に限られる。
関連法令の解説
憲法26条(教育を受ける権利)、憲法21条1項(表現の自由)、憲法21条2項(検閲の禁止)、憲法23条(学問の自由)に関わる判例です。国が教科書の内容を審査する制度が、これらの権利を侵害するかが争われました。
身近な例え
料理コンテストで審査に落ちても、自分のお店で自由にその料理を出せるのと同じ。公式な場で使えないだけで、表現自体は禁止されていません。
ざっくりまとめ
要するに、国が教科書の内容を審査する検定制度は、教育の質を保つために必要な範囲内なら合憲で、検定に落ちても一般の本として出版できるから検閲にもあたらないってこと!
試験対策ポイント
①教科書検定は憲法26条違反ではない:国は必要かつ相当な範囲で教育内容を決定できる ②検閲には該当しない:不合格でも一般図書として出版可能 ③憲法21条1項違反ではない:表現の自由も公共の福祉による合理的制限を受ける ④憲法23条違反ではない:教科書は学術研究発表の場ではない ⑤検定処分の違法性:文部大臣の裁量権の逸脱・濫用があった場合に限り違法となる
関連法令
憲法21条1項憲法21条2項憲法23条憲法26条国家賠償法1条1項
出題年度
7年
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