B憲法精神的自由
石井記者事件
最高裁判所1952-08-06
取材源の秘匿証言拒絶権報道の自由表現の自由刑事裁判公共の福祉
記者の取材源秘匿と証言拒絶
図解でわかる

事案の概要
新聞記者の石井氏が刑事裁判で証人として呼ばれました。しかし、取材で得た情報の出どころ(取材源)を明かすと、今後の取材活動に支障が出ると考え、証言を拒否しました。裁判所は真実を明らかにするため証言を求めましたが、石井氏は憲法21条の表現の自由を根拠に、取材源を秘匿する権利があると主張したのです。
争点
刑事裁判で新聞記者が「取材源(情報の出どころ)を明かしたくない」として証言を拒む権利(証言拒絶権)は、憲法21条の表現の自由として保障されるのか。
判旨
憲法21条は表現の自由を保障しているが、公共の福祉(社会全体の利益)による制限を受ける。刑事裁判では真実を明らかにすることが非常に重要であり、その手段として証言義務が課される。報道機関だからといって特別に証言を免れる特権は認められないため、取材源を秘匿する(隠す)ための証言拒絶権は憲法上保障されない。
関連法令の解説
憲法21条1項の表現の自由に関する判例です。報道機関の取材の自由や取材源秘匿の権利が、刑事裁判における証言義務とどう調整されるかが争点となりました。
身近な例え
友達から聞いた秘密を、先生に「誰から聞いたの?」と聞かれても「言えません」とは言えない状況に似ています。公の場では真実が優先されるのです。
ざっくりまとめ
要するに、記者さんだからといって裁判で特別に証言を拒める権利は憲法上認められないってこと!刑事裁判の真実発見の方が優先されるんですね。
試験対策ポイント
【試験の重要ポイント】 ①表現の自由も「公共の福祉」による制限を受ける ②刑事裁判における真実発見は極めて重要な公益 ③報道機関に証言拒絶の特権は認められない ④取材源秘匿権は憲法上の権利として保障されない ⑤報道の自由と刑事司法の要請の調整において、後者が優先された事例 ※記者の取材の自由は重要だが、刑事裁判では証言義務が優先されるという結論を押さえること
関連法令
憲法21条1項
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