A憲法統治機構
警察法改正無効事件
最高裁判所大法廷1962-03-07
司法権の限界自律権議事手続司法審査国会の自律
国会の議事手続は裁判所の審査対象外
図解でわかる

事案の概要
警察法という法律が国会で改正されたとき、その議事手続(話し合いや採決の進め方)に問題があったとして、この法律は無効だと主張して裁判が起こされました。国会での手続に不正があれば法律は無効になるはずだと原告は訴えましたが、裁判所がそもそもこの問題を審査できるのかが争点となった事件です。
争点
国会の両議院で法律を制定する際の議事手続(話し合いや採決の進め方)が、裁判所による司法審査(違法かどうかの判断)の対象になるかどうか。
判旨
裁判所は原則としてあらゆる法的紛争を裁判できるが、国会や各議院が自らの内部事項を自主的に決める「自律権」に属する行為については、例外的に司法審査の対象から外れる。法律制定の議事手続はこの自律権に当たるため、裁判所は審査できないと判断した。
関連法令の解説
憲法76条1項は裁判所が司法権を持つことを定めていますが、国会の自律権(内部のことは国会自身が決める権限)との関係で、裁判所が審査できる範囲に限界があることを示した判例です。
身近な例え
学校の生徒会が会議のルールを自分たちで決めるように、国会も内部の手続は自分たちで決める権限があり、外部(裁判所)は原則として干渉できないというイメージです。
ざっくりまとめ
要するに、国会の中での議事手続が正しかったかどうかは、国会が自分で判断することで、裁判所は口出しできないってこと!国会の自律権を尊重する判断です。
試験対策ポイント
【重要ポイント】 ①原則:裁判所はあらゆる法律上の争訟を裁判できる(憲法76条1項) ②例外:国会・各議院の自律権に属する行為は司法審査の対象外 ③議事手続の適否は自律権に含まれるため審査対象外 ④この判例は「統治行為論」とは異なる「議院の自律権」の問題 ⑤試験では「司法審査の限界」の論点として頻出。自律権の範囲を正確に理解すること
関連法令
憲法76条1項
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