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A行政法行政事件訴訟

東京12チャンネル事件

最高裁判所1968-12-24最判昭43.12.24
原告適格競願関係免許付与処分の取消し法律上の利益行政事件訴訟法9条

競願関係では、拒否された者はライバルへの免許処分の取消訴訟も、自分への拒否処分の取消訴訟も、どちらも提起できる!

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なる子ちゃん

事案の概要

テレビ放送局の免許につき、甲(被上告人)と乙(訴外財団・東京12チャンネルの前身)が競願関係にありました。行政庁は甲の免許申請を拒否し、乙に免許を付与しました。甲は、乙に対する免許付与処分の取消しを求めて訴えを提起しました。甲にこの取消訴訟の原告適格(法律上の利益)が認められるかどうかが争われました。
争点

争点

競願関係において免許を拒否された者が、ライバルに付与された免許処分の取消訴訟を提起する原告適格(行訴法9条1項の「法律上の利益」)を有するかどうか、また自己への拒否処分の取消訴訟を提起できるかどうかが争点です。
判旨

判旨

甲および乙が競願関係にある場合において、甲の免許申請が拒否され乙に免許が付与されたときは、甲に対する拒否処分と乙に対する免許付与とは表裏の関係にあります。したがって、甲は乙に対する免許処分の取消訴訟を提起することができるほか、自己に対する拒否処分のみの取消訴訟を提起することもできます。いずれかの処分が取り消されれば、審査がやり直されて甲に免許が付与される可能性が生じるため、甲には法律上の利益があります。
判決

判決

甲(被上告人)の原告適格を認め、乙への免許付与処分の取消訴訟の提起を認めました。
関連法令の解説

関連法令の解説

行政事件訴訟法9条1項(取消訴訟の原告適格)
処分の取消しの訴えは、当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り提起することができると定めています。本判決は、競願関係にある申請者は、ライバルへの免許付与処分が取り消されれば自己の法的地位(免許を得られる可能性)が回復するという法律上の利益を持つとして、原告適格を認めました。電波法(免許制度の根拠)

放送局の開設には電波法に基づく免許が必要で、同一周波数帯において複数の申請者が競合する場合は1者のみに免許が付与されます。この「1枠に複数の申請者」という構造が本件の「競願関係」を生み出しており、一方への免許付与と他方への拒否が表裏一体の関係になるという判断の前提となっています。
身近な例え

身近な例え

一つしかない奨学金枠を複数人が応募して、Aさんが選ばれた。落ちたBさんは「Aさんの選考をやり直して」と主張する資格があるという考え方です。
なる子ちゃん

ざっくりまとめ

テレビ局の免許を2社が争っていた(定員1枠)。甲は落選、乙は当選。「じゃあ甲は乙への免許付与処分を取り消してくれと訴えられるの?」という話。裁判所の答えは「できる!」。なぜなら、甲への拒否処分と乙への免許付与は表裏の関係にある。どちらかが取り消されれば審査がやり直され、甲に免許が付与される可能性が出てくる。つまり甲には「乙への処分を争う法律上の利益(原告適格)」がある。さらに重要なのは、甲は2つの訴えの選択肢を持つという点。①乙への免許付与処分の取消訴訟、②自分への拒否処分の取消訴訟、どちらも提起できる!

試験対策ポイント

競願関係では、拒否された者には2つの訴訟手段がある:①ライバルへの免許付与処分の取消訴訟、②自分への拒否処分の取消訴訟
キーワードは「表裏の関係」:一方への許可と他方への拒否は切り離せない関係にある

原告適格の根拠:処分が取り消されれば審査がやり直されて自分が免許を得られる可能性=法律上の利益がある

注意:単なる「商売上のライバルがいなくなってほしい」という事実上の利益だけでは原告適格は認められない。競願関係という法的構造があって初めて認められる

本件と同日(昭43.12.24)に「墓地埋葬通達事件」(通達に処分性なし)も言い渡されており、混同注意
法令

関連法令

関連判例

関連判例

行政法最高裁判所

小田急高架化訴訟

原告適格の判断基準:当該行政法規が「個々人の個別的利益としても保護する趣旨」を含むかどうか 都市計画事業の認可に対して、「騒音・振動等による健康または生活環境に係る著しい被害を直接受けるおそれのある者」には原告適格が認められる 原告適格の判断には関係法令(環境影響評価条例等)の趣旨・目的も参酌される(行訴法9条2項) 注意:原告適格が認められても、本案審理では違法と認められなかった(裁量権の逸脱・濫用なし)という結論に至っている 本判例は2004年の行訴法改正後に大法廷で原告適格を拡大した画期的判例として位置づけられる

行政法最高裁判所

場外車券発売施設設置許可と原告適格

原告適格が認められるのは**「法律上の利益を有する者」**(行訴法9条1項)であり、事実上の不利益を受けるだけでは足りない 「法律上の利益」の有無は、根拠法令および関連法令の趣旨・目的を総合して解釈する(行訴法9条2項) 周辺住民・一般事業者・施設利用者は、位置基準が保護する利益がいずれも一般的公益にとどまるとして原告適格なし 医療施設の開設者は、静穏な環境で医療業務を営む利益が個別的利益として保護されているとして原告適格あり 注意:文教施設(学校等)の開設者も医療施設と同様に原告適格が認められる可能性がある点も押さえること 注意:「施設から1000m以内」は申請書添付書類の基準であり、原告適格の距離基準ではない。位置的に著しい業務支障のおそれがあるか否かが判断基準

行政法最高裁判所

運転免許停止処分取消請求事件

運転免許停止処分は、停止期間の満了と処分日から1年間の無違反・無処分の両方が経過すると、訴えの利益が消滅する 「違反記録が警察に残る」「名誉・感情への影響」は事実上の効果にすぎず、法律上の利益ではない 注意:停止期間が満了しただけでは足りず、1年間無違反・無処分という要件も必要な点がひっかけになりやすい 行政事件訴訟法9条の「法律上の利益」は、法令上根拠のある具体的な不利益の回復を意味し、感情的・事実的な不利益は含まれない 本判例は訴えの利益の消滅の典型例として、取消訴訟の原告適格・訴えの利益の問題とセットで整理しておく

行政法最高裁判所

もんじゅ訴訟

無効確認訴訟の「法律上の利益を有する者」の判断は、当該法規が不特定多数者の利益を個々人の個別的利益としても保護しているかどうかによる 本件では原子炉から29〜58km圏内の住民に原告適格が認められた 注意:原告適格の判断基準は行訴法9条(取消訴訟)と行訴法**36条(無効確認訴訟)**で同義に解される 民事差止め訴訟は「当該処分の効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴え」に該当しないため、無効確認訴訟の補充性要件(行訴法36条)を否定する根拠にならない 無効確認訴訟は、民事差止め訴訟よりより直接的・適切な紛争解決手段として位置づけられる点も重要

行政法最高裁判所

新潟空港訴訟

社会通念上著しい障害を受けることとなる飛行場周辺住民には定期航空運送事業免許の取消訴訟における原告適格がある 原告適格の根拠:航空法の免許基準が周辺住民の個別的利益も保護する趣旨を含むから 行訴法10条1項:取消訴訟では自己の法律上の利益に関係のない違法を取消理由とすることはできない 注意:原告適格が認められても、主張できる違法事由は自己の利益と関連するものに限られる 小田急高架訴訟(最大判平17.12.7)や場外車券発売施設訴訟(最判平21.10.15)と並んで第三者の原告適格に関する重要判例として整理すること

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