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臨時会召集遅延事件

最高裁判所2023-09-12最判令5.9.12
臨時会召集法律上の争訟確認の利益国家賠償憲法53条

臨時国会召集義務の裁判所審査否定

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なる子ちゃん

事案の概要

野党の国会議員らが憲法53条後段に基づき臨時国会の召集を要求したのに、内閣が3か月以上召集しませんでした。そこで国会議員らが、内閣には召集義務があることの確認と、召集遅延による国家賠償を求めて訴訟を起こしました。裁判所が召集義務の存否や遅延の違法性について判断できるかが争われた事件です。
争点

争点

国会議員が憲法53条後段に基づいて臨時国会の召集を内閣に求めたにもかかわらず、3カ月以上召集されなかった場合に、①その訴えが裁判所で扱える問題(法律上の争訟)にあたるか、②訴えを起こす利益(確認の利益)があるか、③召集の遅れを理由に国家賠償を請求できるか、というのがこの事件の争点です。
判旨

判旨

裁判所は3つの点についてそれぞれ判断しました。まず①訴えの適法性については、臨時会の召集義務は認められるものの、個々の議員の具体的な権利の問題ではなく法解釈の問題にとどまるとしました。次に②確認の利益については、将来また同じ問題が起きるかどうか不明であり、差し迫った具体的な危険があるとはいえないとして退けました。そして③国家賠償については、憲法53条は個々の国会議員の権利を保障したものではないため、召集が遅れても議員個人の権利が侵害されたとはいえないと判断しました。つまり、「内閣に召集義務はあるが、それを強制したり損害賠償を求めたりする手段は認められない」という、義務は認めつつも救済手段は閉ざした判決です。

【原文】

不動産所有権の譲渡をもつて代物弁済をする場合の債務消滅の効力は、原則として、単に所有権移転の意思表示をなすのみでは足らず、所有権移転登記手続の完了によつて生ずるものと解すべきである。
関連法令の解説

関連法令の解説

憲法53条後段の臨時国会召集義務、憲法76条1項の法律上の争訟性、国家賠償法1条1項の国会議員個人の権利侵害の有無が問題となりました。
身近な例え

身近な例え

会議を開くよう要求したのに開いてくれないと訴えても、それは会議メンバー同士の内部ルールの問題で、裁判所は判断できないというようなものです。
なる子ちゃん

ざっくりまとめ

要するに、国会召集の義務があるかどうかは政治的な問題で裁判所が判断する法律上の争いではないし、国会議員個人の権利侵害もないから訴えは不適法ってこと!

試験対策ポイント

【重要ポイント】
①法律上の争訟性:臨時会召集義務の存否は法解釈の問題で、当事者間の具体的権利義務関係の争いではないため法律上の争訟に当たらない

②確認の利益:召集遅延による差し迫った危険がなく、確認の利益も認められない

③国賠請求:憲法53条後段は議院の権能を定めたもので、個々の国会議員の権利を保障したものではないため、国家賠償法上の違法な権利侵害に当たらない

※統治行為論ではなく、法律上の争訟性の欠如で判断
法令

関連法令

関連判例

関連判例

憲法最高裁判所

教科書検定事件

教科書検定は憲法21条2項の検閲にあたらない(理由:一般図書として出版可能であり、発表禁止目的・発表前審査の特質がないため) 教科書は学術研究発表の場ではないため、検定は憲法23条の学問の自由(研究発表の自由)を直接侵害しない 国は子どもに適切な教育を保障するために必要かつ相当な範囲で教育内容を決定できる(憲法26条合憲の根拠) 個別の検定処分が国賠法上違法になる基準:「審議会の判断過程に看過し難い過誤があって、文部大臣の判断がこれに依拠した場合」 注意:制度全体は合憲だが、個別処分は専門家の見解を無視するなど著しく不合理な場合は裁量権の逸脱・濫用として国家賠償法上違法になりうる 本件は第一次家永教科書訴訟(家永全面敗訴)であり、第三次訴訟(最判平9.8.29)では4件について裁量権逸脱が認められた点と混同しないこと

憲法最高裁判所大法廷

在外邦人国民審査権確認等事件

国民審査権は選挙権と同様の性質を有する主権者の重要な権利であり、やむを得ない事由がない限り制限は許されない(厳格審査基準) 在外国民に国民審査への参加を認めない国民審査法の規定は憲法15条1項・79条2項・3項に違反する(法令違憲) 立法不作為が国家賠償法1条1項の違法にあたると判断されるのは例外的であり、「憲法上保障された権利行使の機会確保のための立法が必要不可欠かつ明白であるのに、国会が正当な理由なく長期間怠った場合」に限られる 本判決は裁判官全員一致の意見であり、きわめて画期的な判決であること 注意:判決日は令和4年(2022年)5月25日であり、「令和5年」「2023年」は誤り 行政事件訴訟法4条(公法上の当事者訴訟)も関連条文として重要——在外国民の違法確認の訴えがこれにより適法とされた点も押さえること

憲法最高裁判所大法廷

在外選挙権制限事件

国会議員の立法行為・立法不作為が国賠上の違法となるのは例外的な場合に限られる 例外的に違法となる2つの場合:①憲法上の権利を違法に侵害することが明白、②権利行使のための立法が必要不可欠かつ明白なのに正当な理由なく長期間放置 注意:単に立法が遅れただけでは足りず、著しい不作為といえる程度に至ることが必要 本件では廃案後10年以上の不作為が「著しい不作為」として違法と認定された 立法不作為が国賠の対象となる典型判例として、行政書士試験でも頻出

憲法最高裁判所

板まんだら事件

法律上の争訟の2要件:①当事者間の具体的な権利義務・法律関係に関する紛争、②法律の適用によって終局的に解決できるもの 表面上が財産紛争の形をとっていても、宗教的教義の正否が訴訟の核心となる場合は法律上の争訟にあたらない 前提問題にすぎない場合と紛争の核心となっている場合の区別が重要:後者は却下される 注意:宗教に関する紛争がすべて法律上の争訟にあたらないわけではない。教義判断が不可欠かどうかで判断する 宝塚市パチンコ条例事件(最判平14.7.9)の「法律上の争訟」論と対比して整理すること

行政法最高裁判所

パトカーによる追跡行為の違法性

パトカーによる追跡行為自体は正当な職務行為であり、ただちに違法とはならない。追跡=違法という短絡的な理解は誤り。 違法となる要件は2つ:①追跡が職務目的遂行上「不必要」である場合、②追跡の開始・継続・方法が「不相当」である場合。この2要件をそのまま覚えること。 「不相当」の判断には道路状況・逃走態様から予測される被害発生の具体的危険性が考慮される。抽象的な危険ではなく具体的危険性がポイント。 注意:直接事故を起こしたのは逃走車両の運転者であっても、追跡行為の違法性が問われうる。因果関係の問題と違法性の問題を混同しないこと。 警察法2条・警察官職務執行法2条1項が追跡行為の職務上の根拠として示されている点も確認すること。

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