遺産分割と登記
いさんぶんかつととうき
ひとことで言うと
相続人が複数いるときに遺産を具体的に分ける手続きと、その結果を登記する際のルールのこと。
くわしく解説
遺産分割と登記はなぜセットで考えるの?
相続が発生すると、相続人が複数いる場合、遺産は一旦共同相続人全員の共有になります。その後、遺産分割によって「誰が何を取得するか」を具体的に決めます。
ここで重要なのが、遺産分割によって不動産を取得した人が、その結果を登記しないと、第三者に対抗できない場合があるということです。
登記がないとどうなるの?
判例の立場では、遺産分割は相続開始時にさかのぼって効力が生じます(遡及効)。しかし、遺産分割後に法定相続分で登記した共同相続人から、その持分を譲り受けた第三者に対しては、登記がなければ対抗できないとされています。
つまり、「遺産分割で不動産をもらったのは私だ」と主張しても、登記をしていなければ、他の相続人から持分を買った第三者には勝てないのです。177条の第三者として保護されるからです。
試験での重要ポイント
①遺産分割には遡及効があること、②でも登記なくして第三者に対抗できないという2点は必ず押さえましょう。遺産分割と登記の関係は、物権変動の対抗問題として出題されることが多いです。
具体例で考えよう
ケース①:遺産分割後に持分を譲り受けた第三者
父が亡くなり、長男と次男が法定相続分2分の1ずつで不動産を共有しました。その後、遺産分割で長男が単独で取得することになりましたが、登記をしないでいました。その間に次男が自分の持分をCさんに売却し、Cさんが持分移転登記をしました。この場合、長男は登記がないためCさんに対抗できず、Cさんとの共有状態になってしまいます。
ケース②:遺産分割前の法定相続登記
母が亡くなり、姉と弟が相続人です。弟が勝手に法定相続分2分の1ずつの登記をしました。その後、遺産分割で姉が単独で取得することになりました。姉は遺産分割の結果を登記することで、自分が単独所有者であることを第三者に対抗できます。
試験対策ポイント
「遺産分割と登記」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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