相続と登記
そうぞくととうき
ひとことで言うと
相続によって不動産の所有権を取得した場合でも、第三者に対抗するためには登記が必要となるという原則のこと。
くわしく解説
相続すれば登記は不要なの?
相続によって不動産を取得した場合、登記をしなくても所有権は取得できます。これは、相続が法律上当然に発生する権利の移転だからです。
では、登記は全く必要ないのでしょうか?答えは「対抗要件としては必要」です。つまり、自分が相続人であることを第三者に主張するためには、登記が必要になる場合があるのです。
判例の変化に注目しよう
以前の判例では、「相続は法律上当然に発生するから、登記がなくても第三者に対抗できる」とされていました。
しかし、令和元年の最高裁判決で大きく変わりました。相続した不動産について、法定相続分を超える部分を第三者に主張するには、登記が必要とされたのです。
どんな場合に登記が必要?
①遺産分割によって法定相続分を超える権利を取得した場合。たとえば、本来は2分の1しか相続できないのに、遺産分割協議で不動産全体を取得したケースです。
②特定財産承継遺言(「この土地は長男に相続させる」といった遺言)で取得した場合も同様です。
ポイントは、「法定相続分を超える部分」は登記なしに第三者に対抗できないという考え方にあります。相続人間の公平と、取引の安全を両立させるための重要なルールです。
試験での頻出ポイント
「相続登記は対抗要件か?」という論点は、現在では「法定相続分を超える部分については対抗要件が必要」と理解しましょう。令和元年判例の変更点は、試験で狙われやすいテーマです。
具体例で考えよう
ケース①:遺産分割で単独取得したが登記しなかった場合
父が亡くなり、兄と弟が相続人となりました。遺産分割協議で、兄が不動産を単独で取得することになりました。しかし兄が登記をしないうちに、弟が自分の法定相続分(2分の1)を第三者に売却して登記してしまいました。この場合、兄は登記をしていないため、第三者に対して「自分が単独で相続した」と主張できません。
ケース②:法定相続分どおりの相続
父が亡くなり、姉と妹が法定相続分どおり(各2分の1)に相続しました。この場合は法定相続分を超える部分はありませんから、登記がなくても第三者に対抗できます。ただし、実務では後々のトラブル防止のため、登記をしておくことが推奨されます。
試験対策ポイント
「相続と登記」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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