遺産分割
いさんぶんかつ
ひとことで言うと
相続人が複数いる場合に、相続財産を具体的に誰が何を取得するかを決める手続のこと。
くわしく解説
遺産分割とは何か?
相続が発生すると、亡くなった人の財産は相続人全員の共有状態になります。遺産分割とは、この共有状態を解消して、「この土地はAさん、この預金はBさん」と具体的に決める手続のことです。
ポイントは、「相続によって財産を取得する権利は確定している。でも、誰が何を取得するかはまだ決まっていない」という状態を解消することにあります。
なぜ遺産分割が必要なの?
相続財産が共有のままでは、不動産を売却したり、預金を引き出したりする際に、相続人全員の同意が必要になってしまいます。これでは不便ですし、相続人同士の関係が悪化すると何も決められなくなってしまいます。
そこで、遺産分割によって各自の取得分を確定させ、それぞれが自由に財産を処分できるようにするのです。
遺産分割の方法は?
①遺言による指定がある場合は、それに従います。
②相続人全員の協議(遺産分割協議)で決める方法が最も一般的です。全員の合意があれば、法定相続分と異なる分け方も可能です。
③協議がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停・審判を申し立てることができます。
試験で注意すべきポイント
遺産分割は遡及効があります。つまり、分割の効果は相続開始時に遡って確定したものとされます。また、遺産分割と登記の関係も重要で、分割後に登記をしないと第三者に対抗できない点も押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:不動産と預金を分ける場合
父が亡くなり、相続人は長男と次男の2人です。遺産は自宅不動産(2000万円相当)と預金1000万円でした。遺産分割協議で「長男が自宅を取得し、次男が預金と500万円の代償金を受け取る」と決めたとします。これは法定相続分(各2分の1)とは異なりますが、全員の合意があれば有効な遺産分割になります。
ケース②:協議がまとまらない場合
母が亡くなり、相続人は娘3人です。遺産は実家の土地建物のみで、長女が「自分が住み続けたい」と主張し、次女・三女は「売却して現金で分けたい」と主張して対立しています。話し合いでまとまらないため、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることになります。これも遺産分割の手続の一つです。
試験対策ポイント
「遺産分割」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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