違法行為の転換
いほうこういのてんかん
ひとことで言うと
違法な行政行為を、別の法的根拠に基づく適法な行政行為として扱い直すことで、その効力を維持させる技術のこと。
くわしく解説
違法行為の転換とは何か?
行政庁が出した処分が、当初の法的根拠では違法だったとしても、別の法的根拠なら適法と評価できる場合に、その別の根拠による行政行為として扱い直すことを言います。
たとえば、「営業許可の取消し」として出した処分が違法だったとしても、「営業停止命令」として見れば適法だった場合、後者として扱うことで処分の効力を維持できるのです。
なぜこんな制度があるの?
ポイントは、「形式的な違法で無効にするより、実質的に正しい効果を維持する方が合理的だ」という考え方にあります。
行政の安定性や国民の法的安定性を守りつつ、手続の無駄を省くための技術です。
転換が認められる条件は?
①転換後の行政行為の要件を満たすこと。別の法的根拠の要件がすべて揃っている必要があります。
②相手方に不利益が拡大しないこと。転換によって相手方の地位が悪化してはいけません。
③手続的保障が確保されていること。転換後の行政行為に必要な手続(聴聞など)が履践されていることが求められます。
試験での注意点
転換は、瑕疵の治癒や違法性の承継といった周辺概念と区別して理解することが重要です。瑕疵の治癒は「同じ行政行為の欠陥を事後的に修正する」のに対し、転換は「別の行政行為として構成し直す」点で異なります。
具体例で考えよう
ケース①:営業許可の取消しと営業停止
保健所が飲食店に対して「営業許可の取消し」処分を出したものの、取消しの法的要件を満たしていなかったとします。しかし、「3か月の営業停止命令」としてなら要件を満たしていた場合、営業停止命令として転換が認められることがあります。これにより処分の効力が維持されます。
ケース②:建築確認の拒否と不許可
ある法律の規定に基づく「建築確認の拒否」が違法だったとしても、別の条例に基づく「建築不許可」としては適法だった場合、後者として転換できる可能性があります。ただし、相手方の不利益が拡大しないことが前提です。
試験対策ポイント
「違法行為の転換」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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