瑕疵の治癒
かしのちゆ
ひとことで言うと
行政行為に手続上の瑕疵があっても、後から正しい手続を行うことで、その瑕疵がなかったものとして扱われること。
くわしく解説
瑕疵の治癒って何?
行政行為に手続上の問題(瑕疵)があったとき、後からその問題を補う手続を行えば、最初から問題がなかったことにできる。これが瑕疵の治癒です。
ポイントは、「手続にミスがあったけど、後から正しくやり直せば、行政行為全体を無効にしなくてもいいよね」という考え方にあります。
どんな場面で使われるの?
典型的なのは、理由の提示が不十分だったケースです。
例えば、行政庁が許可申請を拒否する際に、本来は理由を示さなければなりません。しかし、うっかり理由を付けずに処分してしまった。このとき、後から審査請求の段階で十分な理由が示されれば、最初の瑕疵が治癒されたと考えることができます。
治癒が認められるための条件は?
①軽微な瑕疵であること。重大な違法がある場合は、治癒では救えません。
②後から適正な手続が行われたこと。単に時間が経過しただけでは治癒されません。
③相手方の権利利益を不当に害さないこと。治癒を認めても、国民に実質的な不利益がないことが必要です。
「違法行為の転換」との違いは?
混同しやすい概念に違法行為の転換があります。
瑕疵の治癒は、「同じ行政行為の瑕疵を後から補う」ものです。一方、違法行為の転換は、「別の種類の行政行為として有効にする」ものです。治癒はあくまで補修、転換は別物への読み替えと覚えましょう。
試験ではここが狙われる!
試験では、「理由付記の瑕疵は治癒されるか?」という論点がよく出ます。判例は、原則として治癒を認めない立場ですが、例外的に認められる場合もあるため、事案ごとの判断が問われます。瑕疵ある行政行為の効力と合わせて整理しておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:理由なしで出された営業停止処分
あなたが飲食店を経営していたところ、突然「営業停止」の処分を受けたとします。しかし、処分書には理由が書かれていませんでした。その後、審査請求の段階で行政庁が詳細な理由を示した場合、理由付記の瑕疵が治癒されたと判断される可能性があります。
ケース②:聴聞を省略してしまった許可取消し
ある業者の許可を取り消す際、本来は聴聞を行うべきでした。しかし、聴聞なしで処分が行われたとします。その後、審査請求で十分な弁明の機会が与えられた場合、手続の瑕疵が治癒されたと考えられることがあります。これは瑕疵の治癒の典型例です。
試験対策ポイント
「瑕疵の治癒」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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