瑕疵ある行政行為
かしあるぎょうせいこうい
ひとことで言うと
成立要件や内容に違法・不当な点があり、本来あるべき姿と異なっている行政行為のこと。
くわしく解説
瑕疵ある行政行為ってどういうもの?
行政行為には、法律に基づいて正しく行われるべきというルールがあります。しかし、実際には手続きにミスがあったり、内容が違法だったりすることがあります。このように、何らかの欠陥(=瑕疵)を持った行政行為を「瑕疵ある行政行為」と呼びます。
ポイントは、「形式的には行政行為として成立しているけれど、中身に問題がある」という点です。
どんな種類があるの?
瑕疵の程度によって、大きく2つに分けられます。
①取り消しうる行政行為 瑕疵はあるけれど、取消しがなされるまでは有効として扱われるタイプです。公定力があるため、権限ある機関が取り消すまでは効力が続きます。
②無効な行政行為 瑕疵が重大かつ明白な場合、最初から効力がないとされるタイプです。こちらは公定力が働かず、誰でもその無効を主張できます。
「無効」と「取消し」の違いは?
両者を分ける基準は、瑕疵の重大性と明白性です。
判例は「重大かつ明白説」を採用しています。つまり、瑕疵が重大であり、かつ外観上誰が見ても明らかである場合に限り、無効となります。
「重大だけど明白でない」「明白だけど重大でない」場合は、取り消しうる行政行為にとどまります。
瑕疵は治せるの?
実は、瑕疵があっても後から修復できる場合があります。これを瑕疵の治癒といいます。たとえば、聴聞手続を欠いた処分でも、後に不服申立ての機会が与えられれば治癒されることがあります。
また、違法行為の転換という考え方もあります。Aという行政行為としては違法でも、Bという別の行政行為の要件を満たしていれば、Bとして有効に扱うというものです。
試験ではここが狙われる!
試験では、無効と取消しの区別がよく出題されます。「重大かつ明白説」というキーワードを押さえ、どちらか一方だけでは無効にならない点を理解しておきましょう。また、瑕疵の治癒や違法行為の転換との関連も頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:聴聞なしで行われた営業許可取消し
あなたが飲食店を経営しているとします。ある日、行政庁から営業許可の取消処分を受けました。しかし、本来必要な聴聞手続きが行われていませんでした。これは手続上の瑕疵がある行政行為であり、取消訴訟で争うことができます。
ケース②:存在しない土地への課税処分
あなた宛てに固定資産税の課税通知が届きました。しかし、その土地は実在せず、完全な誤りでした。このような瑕疵は重大かつ明白であるため、この課税処分は無効となり、最初から効力がないものとして扱われます。
試験対策ポイント
「瑕疵ある行政行為」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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