諾成契約
だくせいけいやく
ひとことで言うと
当事者の合意だけで成立し、物の引渡しなどの実際の行為を必要としない契約のこと。
くわしく解説
諾成契約とは何か?
諾成契約とは、当事者が「売ります」「買います」と合意しただけで成立する契約のことです。実際に物を渡したり、お金を支払ったりしなくても、口約束だけで契約は有効に成立します。
民法の原則は「契約は合意だけで成立する」というものです。つまり、ほとんどの契約は諾成契約なのです。
要物契約との違いは?
諾成契約と対になる概念が要物契約です。要物契約は、合意に加えて物の引渡しがあって初めて成立する契約のことです。
例えば、昔の贈与契約は要物契約でした。「あげます」「もらいます」と言っただけではダメで、実際に物を渡して初めて契約が成立するという考え方です。しかし現在の民法では、贈与も諾成契約とされています(ただし、書面によらない贈与は履行前なら取り消せます)。
なぜ重要なの?
諾成契約の重要なポイントは、「合意の瞬間から、双方に義務が発生する」ということです。
売買契約を例にすると、売主は物を引き渡す義務を負い、買主は代金を支払う義務を負います。これらの義務は、実際の引渡しや支払いの前から存在しているのです。
ですから、一方が約束を破れば債務不履行として、損害賠償請求や契約解除ができるようになります。試験では、契約成立の時期と義務発生の時期を問う問題がよく出題されます。
具体例で考えよう
ケース①:中古車の売買
AさんがBさんに「この車を50万円で売ります」と言い、Bさんが「買います」と答えたとします。この瞬間に売買契約は成立します。まだ車を引き渡していなくても、お金を払っていなくても、Aさんには車を引き渡す義務が、Bさんには50万円を払う義務が発生しています。これが諾成契約の特徴です。
ケース②:マンションの賃貸借契約
大家さんと借主が「来月1日から月10万円で貸します」「借ります」と合意したとします。まだ鍵の引渡しも入居もしていませんが、この時点で賃貸借契約は成立しています。ですから、大家さんが突然「やっぱり貸せない」と言えば、債務不履行として損害賠償を請求できる可能性があります。
試験対策ポイント
「諾成契約」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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