訴えの変更
うったえのへんこう
ひとことで言うと
すでに提起した訴訟の中で、請求の内容や訴訟の類型を変更すること。
くわしく解説
訴えの変更って何のこと?
訴訟を起こした後に、「やっぱり違う請求をしたい」「別の訴訟類型に切り替えたい」と思うことがあります。このとき、最初からやり直すのではなく、今の訴訟の中で請求内容を変えることを「訴えの変更」といいます。
ポイントは、「一度始めた訴訟を無駄にせず、効率的に救済を受けられるようにする」という考え方にあります。
どんな場面で使われるの?
行政事件訴訟法では、第21条に規定があります。たとえば、取消訴訟を提起したけれど、審理が進むうちに義務付け訴訟に変更したほうが適切だとわかった場合などに活用されます。
民事訴訟と違い、行政訴訟には複数の訴訟類型(取消訴訟、義務付け訴訟、差止め訴訟など)があるため、訴訟類型の選択ミスが起こりやすいのです。この救済手段として訴えの変更が重要になります。
認められるための条件は?
①請求の基礎に変更がないこと。もともとの訴えと変更後の訴えが、同じ紛争から生じているものでなければなりません。
②著しく訴訟手続を遅滞させないこと。変更によって裁判が大幅に遅れてしまう場合は認められません。
③事実審の口頭弁論終結前であること。上告審など法律審では原則として認められません。
出訴期間との関係は?
取消訴訟には出訴期間(処分を知った日から6か月など)がありますが、訴えの変更が認められると、最初の訴え提起時に変更後の訴えも提起されたとみなされます。これにより、出訴期間を過ぎていても救済が受けられる場合があるのです。
試験ではここが狙われる!
訴えの変更は、訴えの併合や訴訟参加との違いが問われやすいポイントです。併合は「複数の請求を同時に審理する」こと、参加は「第三者が訴訟に加わる」ことであり、訴えの変更とは異なる制度であることを押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:取消訴訟から義務付け訴訟への変更
あなたが営業許可の拒否処分を受け、取消訴訟を提起したとします。しかし審理中に、単に処分を取り消すだけでなく「許可を出せ」と命じてもらう方が確実だと気づきました。この場合、訴えの変更により義務付け訴訟に切り替えることが考えられます。
ケース②:損害賠償請求への追加的変更
あなたが違法な行政処分の取消訴訟を提起していたとします。審理中に、その処分によって実際に損害を被っていたことが明らかになりました。このとき、国家賠償請求を追加する形で訴えの変更を行い、同じ訴訟の中で損害賠償も求めることができます。
試験対策ポイント
「訴えの変更」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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