取消訴訟
とりけしそしょう
ひとことで言うと
行政庁の違法な処分の取消しを裁判所に求める訴訟のこと。抗告訴訟の中で最も基本的で重要な訴訟類型。
くわしく解説
取消訴訟とは何のための制度?
取消訴訟とは、行政庁が行った違法な処分を裁判所に取り消してもらうための訴訟です。行政事件訴訟法に定められた抗告訴訟の中心的な訴訟類型であり、行政訴訟の基本中の基本といえます。
ポイントは、「行政の決定に不満があるなら、裁判所にジャッジしてもらおう」という考え方にあります。
なぜ取消訴訟が必要なの?
行政処分には公定力があり、たとえ違法であっても取り消されるまでは有効とされます。つまり、放っておくと違法な処分がそのまま効力を持ち続けてしまうのです。
だからこそ、市民の権利を守るために、裁判所を通じて処分を取り消す手段が必要なのです。
取消訴訟を起こすための6つの要件
取消訴訟を適法に提起するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
①処分性があること。行政庁の行為が「処分」に該当しなければ、そもそも取消訴訟の対象になりません。
②原告適格があること。その処分の取消しを求めるについて「法律上の利益を有する者」でなければなりません。
③被告適格があること。処分をした行政庁が属する国または公共団体を被告とします。
④狭義の訴えの利益があること。処分を取り消す実益が現在も存在していることが必要です。
⑤出訴期間を守ること。処分があったことを知った日から6か月以内、処分の日から1年以内に提起しなければなりません。
⑥審査請求前置がある場合は、先に審査請求を経ていること。
試験で狙われるポイントは?
取消訴訟は行政法の最重要論点です。特に処分性の有無と原告適格の判断基準は判例とセットで頻出します。また、出訴期間の「6か月」「1年」という数字も正確に覚えておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:営業許可の取消処分
あなたが飲食店を経営していたところ、保健所から突然「営業許可を取り消す」という処分を受けたとします。この処分が違法だと考える場合、裁判所に取消訴訟を提起して、処分の取消しを求めることができます。
ケース②:建築確認の拒否処分
新しい家を建てようとして建築確認申請をしたところ、役所から「確認できない」と拒否されたとします。この拒否処分が違法だと思うなら、取消訴訟を起こしてその処分の取消しを求めることが可能です。
試験対策ポイント
「取消訴訟」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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