訴えの併合
うったえのへいごう
ひとことで言うと
関連する複数の請求を一つの訴訟手続でまとめて審理するための制度のこと。
くわしく解説
訴えの併合って何のためにあるの?
行政訴訟では、一つの処分に対して「取り消してほしい」「損害を賠償してほしい」など、複数の請求をしたいことがよくあります。これらを別々の裁判で争うとなると、時間もお金もかかりますし、判断が矛盾してしまう危険もあります。
そこで登場するのが訴えの併合です。ポイントは、「関連する請求はまとめて審理した方が、裁判所にとっても当事者にとっても効率的だ」という考え方にあります。
どんな場合に併合できるの?
行政事件訴訟法では、以下のような併合が認められています。
①関連請求の併合(行訴法13条) 取消訴訟と、その処分に関連する損害賠償請求などを一緒に提起できます。
②原処分と裁決の併合(行訴法13条2号) 原処分の取消訴訟と、審査請求に対する裁決の取消訴訟を同時に争えます。
③義務付け訴訟・差止め訴訟との併合 申請型義務付け訴訟は、申請拒否処分の取消訴訟と必ず併合提起しなければなりません(行訴法37条の3第3項)。
「必要的併合」と「任意的併合」の違いは?
併合には2つのタイプがあります。
必要的併合は、法律上「必ず一緒に訴えなさい」と定められているものです。申請型義務付け訴訟がその代表例で、単独では提起できません。
任意的併合は、当事者が「まとめた方が便利だ」と判断して自由に併合できるものです。取消訴訟と国家賠償請求の併合などがこれにあたります。
試験で狙われるポイント
試験では、申請型義務付け訴訟の必要的併合がよく出題されます。「申請を拒否された→義務付け訴訟だけ提起」はダメで、取消訴訟または無効等確認訴訟との併合が必須という点を押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:営業許可申請の拒否
あなたが飲食店の営業許可を申請したところ、不許可処分を受けたとします。「許可を出せ」という義務付け訴訟を起こしたい場合、不許可処分の取消訴訟と併合して提起しなければなりません。これは必要的併合の典型例です。
ケース②:違法な課税処分と損害賠償
あなたが違法な課税処分を受け、取消しを求めると同時に、その処分によって被った損害の賠償も請求したいとします。この場合、取消訴訟と国家賠償請求訴訟を併合して一つの裁判で審理してもらうことができます。これは任意的併合の例です。
試験対策ポイント
「訴えの併合」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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