解除権の不可分性
かいじょけんのふかぶんせい
ひとことで言うと
複数の当事者がいる契約において、解除権は全員から全員に対してまとめて行使しなければならないという原則のこと。
くわしく解説
解除権の不可分性とは何か?
契約の当事者が複数いる場合、解除権をどのように行使すべきかというルールです。民法544条が定めており、「当事者の一部のためまたは一部に対して解除権を行使できない」とされています。
つまり、解除するなら全員が一緒に行使する、解除されるなら全員が一斉に解除されるという原則です。
なぜこんなルールがあるの?
契約の一部だけを解除できるとすると、法律関係が複雑になりすぎるからです。
たとえば、3人が共同で土地を買ったのに、そのうち1人だけが解除できてしまうと、残り2人だけが買主という中途半端な状態になります。これでは契約関係が混乱してしまいますよね。
ポイントは、「解除権は全員でまとめて行使することで、契約をスッキリ白紙に戻す」という考え方にあります。
具体的にどう適用されるの?
①当事者の一方が複数いる場合、その全員が共同して解除権を行使しなければなりません。
②相手方が複数いる場合、その全員に対して解除権を行使しなければなりません。
つまり、「一部だけ解除」や「一部に対してだけ解除」はできないということです。
試験での注意点は?
このルールは、共同相続人が契約を解除する場合などにも適用されます。相続人が複数いるときは、全員が共同して解除権を行使する必要があるという点を押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:共同購入した不動産の解除
Aさん、Bさん、Cさんの3人が共同でDさんから土地を購入したとします。ところがDさんが代金を受け取ったのに、土地を引き渡してくれません。この場合、Aさんだけが「私は解除する」と言っても無効です。解除するならA・B・C全員が共同して解除権を行使する必要があります。これが解除権の不可分性です。
ケース②:売主が複数いる場合
E・F2人の共有地をGさんが購入したとします。Gさんが代金を支払わないので、EさんとFさんは契約を解除したいと考えました。このときEさんだけがGさんに対して解除を主張することはできません。E・F両名が共同してGさんに対して解除権を行使する必要があります。
試験対策ポイント
「解除権の不可分性」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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