裁決主義
さいけつしゅぎ
ひとことで言うと
処分の取消訴訟ではなく、その処分に対する裁決の取消訴訟のみを提起できるとする仕組みのこと。
くわしく解説
裁決主義って何のこと?
みなさんは、行政の処分に不満があるとき、どこに訴えればいいか知っていますか?
通常は、原処分主義といって、もとの処分(原処分)を直接取り消す訴訟を起こします。しかし、法律によっては「処分ではなく、裁決を取り消す訴訟しか起こせない」と定めている場合があります。これを裁決主義といいます。
ポイントは、「処分に不満があっても、まず審査請求をして、その裁決が出てから訴訟しなさい」という仕組みにある、ということです。
なぜ裁決主義という制度があるの?
裁決主義が採用される理由は、専門性と統一性にあります。
例えば、特許や電波に関する処分は非常に専門的な判断が必要です。裁判所がいきなり判断するよりも、まず専門的な審査機関(審判など)で審理してもらった方が適切な結論が出やすいのです。
また、全国の裁判所でバラバラに判断されると混乱するため、一定の機関に判断を集中させるという狙いもあります。
原処分主義との違いは?
原処分主義は、処分そのものの取消しを求める訴訟が原則です。行政事件訴訟法10条2項はこの立場を採用しています。
一方、裁決主義は、個別の法律で例外的に定められている場合にのみ適用されます。
両者の違いを整理すると、
①原処分主義:処分の取消訴訟を提起できる(原則)
②裁決主義:裁決の取消訴訟のみ提起できる(例外・法律の定めが必要)
となります。
試験で問われるポイントは?
試験では、**「裁決主義は例外であり、個別の法律に定めがある場合に限られる」**という点がよく出題されます。
代表的な例として、電波法や特許法があります。これらの分野では裁決主義が採用されているので、具体例として押さえておきましょう。
原則は原処分主義、例外が裁決主義。この関係を正確に理解しておくことが重要です。
具体例で考えよう
ケース①:特許の拒絶査定
あなたが新しい発明をして特許を出願したところ、特許庁から拒絶査定を受けたとします。これに不服がある場合、まず特許庁の審判を請求し、その審決(裁決)に対して訴訟を起こすことになります。原処分である拒絶査定を直接争うことはできません。これは裁決主義の典型例です。
ケース②:電波法上の処分
無線局の免許に関する処分を受けて不満があるとします。この場合も、電波監理審議会への審査請求を経て、その裁決に対してのみ取消訴訟を提起できます。これも裁決主義が採用されている例です。
試験対策ポイント
「裁決主義」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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