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行政法行政強制・行政罰

執行罰

しっこうばつ

📌

ひとことで言うと

義務を履行しない者に対し、一定額の過料を科すと警告し、心理的プレッシャーによって間接的に義務の履行を強制する手段のこと。

なる子ちゃん

くわしく解説

執行罰って何?どうやって義務を守らせるの?

執行罰とは、法律上の義務を果たさない人に対して「過料を科すぞ」と予告し、その心理的なプレッシャーによって義務を履行させる仕組みです。

ポイントは、「罰を与えることが目的ではなく、義務を果たさせることが目的」という点にあります。実際に過料を科すのは最終手段であり、まずは警告によって自発的な履行を促すのです。


代執行との違いは?

同じく行政上の強制執行である代執行と比較してみましょう。

代執行は、義務者に代わって行政が直接行為を行い、その費用を請求する方法です。一方、執行罰は行政が代わりに行動するのではなく、心理的な圧力によって本人自身に履行させます。

特に、代執行が使えない「非代替的作為義務」(他人が代わりにできない義務)や「不作為義務」(〜してはいけないという義務)に対して、執行罰は有効な手段となります。


現在の日本ではほとんど使われていない?

実は、執行罰を定めた法律は現在砂防法の1つしかありません。

かつては多くの法律で採用されていましたが、戦後の法改正で次々と廃止されました。その理由は、過料の金額が低く、抑止力として十分に機能しなかったからです。


試験で問われるポイントは?

①間接強制であること。直接的に義務を実現するのではなく、心理的圧力で履行を促します。

②繰り返し科すことができること。義務が履行されるまで何度でも過料を予告・徴収できます。これは行政刑罰や秩序罰と大きく異なる点です。

③現行法では砂防法のみに規定があること。この具体例は頻出です。

行政罰(秩序罰・行政刑罰)との違いも重要です。行政罰は過去の義務違反に対する「制裁」ですが、執行罰は将来の義務履行を目指す「強制手段」である点を押さえておきましょう。

なる子ちゃん

具体例で考えよう

ケース①:砂防設備の撤去命令

川の近くに違法な構造物を建てた人がいたとします。行政は撤去命令を出しましたが、その人は従いません。そこで「撤去しなければ○○円の過料を科します」と警告します。これが執行罰の典型例で、心理的プレッシャーで自主的な撤去を促すものです。

ケース②:繰り返しの過料予告

上記のケースで、最初の警告後も撤去しなかった場合、行政は再度「さらに過料を科します」と警告できます。執行罰は義務が履行されるまで何度でも科すことができ、これが行政罰との大きな違いです。

試験対策ポイント

執行罰」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。

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