自由選択主義
じゆうせんたくしゅぎ
ひとことで言うと
行政処分に不服がある場合、審査請求と取消訴訟のどちらを先に行うかを自由に選べるという原則のこと。
くわしく解説
なぜ「自由に選べる」ことが大切なの?
行政から違法な処分を受けたとき、あなたには2つの対抗手段があります。ひとつは行政内部で争う「審査請求」、もうひとつは裁判所で争う「取消訴訟」です。
自由選択主義とは、「どちらを先にやってもいいし、いきなり裁判所に訴えてもOK」という考え方です。審査請求をしなくても、直接取消訴訟を提起できるのがポイントです。
以前はどうだったの?「審査請求前置主義」との違い
昔は「まず審査請求をしてからでないと裁判できない」というルールが多くありました。これを「審査請求前置主義」といいます。
現在の行政事件訴訟法では、自由選択主義が原則とされています(行政事件訴訟法8条1項本文)。ただし、個別の法律で審査請求前置が定められている場合は例外となります。
自由選択主義のメリットは?
①迅速な権利救済ができること。審査請求を経なくても、すぐに裁判所の判断を仰げます。
②国民の選択肢が広がること。簡易・迅速な審査請求を選ぶか、慎重な裁判を選ぶか、自分の状況に合わせて決められます。
③司法へのアクセスが保障されること。行政内部の判断だけでなく、独立した裁判所による救済を受ける道が確保されます。
試験で狙われるポイント
試験では「原則は自由選択主義、例外として審査請求前置」という関係がよく問われます。また、審査請求前置が定められている場合でも、審査請求から3か月を経過しても裁決がないときなどは、裁決を待たずに取消訴訟を提起できます(行政事件訴訟法8条2項)。この例外規定も頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:建築確認の取消しを求める場合
あなたの隣に違法建築が建てられようとしており、建築確認処分に不服があるとします。このとき、審査請求をせずに、いきなり裁判所に取消訴訟を提起することができます。これが自由選択主義の典型例です。
ケース②:審査請求前置が定められている場合
国税に関する処分に不服があるとします。国税通則法では審査請求前置が定められているため、原則として先に審査請求をしなければなりません。ただし、審査請求から3か月経っても裁決がなければ、裁決を待たずに取消訴訟を提起できます。
試験対策ポイント
「自由選択主義」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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