自力執行力
じりきしっこうりょく
ひとことで言うと
行政庁が裁判所の助けを借りず、自らの判断で行政行為の内容を強制的に実現できる効力のこと。
くわしく解説
自力執行力って何?
行政庁が行った命令などに相手方が従わない場合、裁判所を通さずに自らの力で強制的に実現できる効力のことです。
たとえば、あなたが税金を滞納したとします。民間の債権者であれば、裁判所に訴えて判決をもらい、それから強制執行という手続きを踏まなければなりません。しかし、行政庁は自分の判断だけで財産を差し押さえることができるのです。
なぜそんな強い力が認められるの?
ポイントは、「行政は公共の利益のために迅速に動く必要がある」という考え方にあります。
税金の徴収や違法建築物の撤去など、いちいち裁判を起こしていては時間がかかりすぎます。公益実現のために、行政にはスピーディーな執行手段が必要なのです。
すべての行政行為に認められるわけではない!
ここが試験で最も重要なポイントです。
自力執行力は、法律に特別の根拠がある場合にのみ認められます。つまり、公定力や不可争力のように行政行為に当然に備わる効力ではありません。
認められる代表例として、以下のものがあります。
①代執行…義務者が代替的作為義務を履行しない場合に、行政庁が自ら行う
②強制徴収…税金などの金銭債権を裁判なしで徴収できる
③直接強制…義務者の身体・財産に直接力を加えて義務を実現する(現在はほぼ認められていない)
試験で狙われるポイント
自力執行力について、試験では「行政行為に一般的に認められる効力か否か」が問われます。
答えは「いいえ」です。公定力・不可争力・拘束力は行政行為に一般的に認められますが、自力執行力は法律の根拠が必要な例外的な効力です。この違いをしっかり押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:税金の滞納処分
あなたが住民税を何度督促されても払わなかったとします。この場合、市役所は裁判所に訴えることなく、あなたの預金口座を差し押さえることができます。これは法律で認められた自力執行力(強制徴収)の典型例です。
ケース②:違法建築物の代執行
建築基準法に違反した建物の除却命令が出されたのに、所有者が従わなかったとします。行政庁は自ら業者を手配して建物を取り壊し、その費用を所有者に請求できます。これも自力執行力に基づく代執行の例です。
試験対策ポイント
「自力執行力」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
関連用語
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。