強制徴収
きょうせいちょうしゅう
ひとことで言うと
国民が負っている金銭債務を、裁判所を通さずに行政機関が強制的に取り立てる手続きのこと。
くわしく解説
どんな場面で使われるの?
みなさんが税金を払わなかったとき、国はどうやって取り立てると思いますか?民間の会社なら裁判所に訴えて強制執行してもらいますよね。でも行政機関は違います。
強制徴収とは、国民が行政機関に対して負っている金銭の支払い義務を、裁判所を通さずに行政機関自らが強制的に取り立てる仕組みです。
なぜ裁判所を通さなくていいの?
ポイントは「行政の効率性」にあります。
税金や社会保険料など、行政が扱う金銭債務は膨大な数にのぼります。いちいち裁判所に訴えていたら、時間もコストもかかりすぎてしまいます。そこで、一定の金銭債務については行政機関が自力執行力を持ち、自ら強制的に取り立てることが認められているのです。
どんなお金が対象になるの?
①租税があります。国税や地方税など、税金の滞納に対して行われます。
②社会保険料があります。健康保険料や年金保険料の滞納も対象です。
③その他法律で定められた公課があります。下水道使用料など、法律に根拠がある金銭債務が含まれます。
重要なのは、法律に根拠がなければ強制徴収はできないという点です。これは「法律による行政の原理」から当然のことです。
具体的にはどうやって取り立てるの?
国税徴収法などに基づき、滞納処分という手続きが行われます。財産の差押え、公売(競売のようなもの)、そして代金の配当という流れで進みます。
試験ではここが狙われる!
強制徴収は行政上の強制執行の一種であり、代執行・直接強制・執行罰と並ぶ手段です。代執行が「代わりにやる」のに対し、強制徴収は「お金を取り立てる」という違いを押さえておきましょう。また、法律の根拠が必要な点も頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:税金を滞納した場合
あなたが所得税を何度催促されても払わなかったとします。税務署は裁判所に訴えることなく、あなたの預金口座を差し押さえ、滞納している税金を強制的に回収することができます。これが強制徴収です。
ケース②:社会保険料を払わない事業主の場合
ある会社が従業員の健康保険料を滞納し続けたとします。年金事務所は、その会社の売掛金や銀行口座を差し押さえて、滞納保険料を強制的に取り立てることができます。これも強制徴収の対象になります。
試験対策ポイント
「強制徴収」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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