聴聞
ちょうもん
ひとことで言うと
行政庁が不利益処分をしようとする際に、処分の相手方に口頭で意見を述べる機会を与える正式な手続のこと。
くわしく解説
聴聞とは何のための手続?
行政庁が許可を取り消したり、営業停止を命じたりする場合、いきなり処分されたら困りますよね。聴聞とは、そのような不利益処分をする前に、処分を受ける人に「言い分を聞かせてください」と口頭で意見を述べる機会を与える手続です。
ポイントは、「処分される側にも反論のチャンスを与えよう」という考え方にあります。
どんな場合に聴聞が必要なの?
聴聞は、重大な不利益処分の場合に行われます。行政手続法13条1項1号に定められており、具体的には以下のケースです。
①許認可等の取消しの場合。飲食店の営業許可を取り消すなど、せっかく得た資格を奪う処分です。
②資格・地位の剥奪の場合。医師免許や弁護士資格を失わせるような処分です。
③名宛人が法人で、その役員の解任を命じる場合。
④法令で聴聞が定められている場合。
これらは影響が大きいため、より慎重な手続が求められるのです。
弁明の機会の付与との違いは?
不利益処分の意見陳述手続には、聴聞と弁明の機会の付与の2種類があります。
聴聞は口頭で行われる正式な手続で、文書の閲覧請求権や代理人の選任など、手厚い手続保障があります。一方、弁明の機会の付与は書面で行われる簡易な手続です。
重大な処分には聴聞、それ以外の軽い処分には弁明の機会の付与、と覚えましょう。
試験で狙われるポイント
聴聞では主宰者が手続を進行します。また、聴聞の相手方には文書等の閲覧請求権が認められており、処分の原因となった資料を確認できます。聴聞を経てされた処分については、審査請求ができない場合があることも重要です(行政手続法27条2項)。
具体例で考えよう
ケース①:飲食店の営業許可取消し
あなたが経営する飲食店で重大な食品衛生法違反が発覚したとします。保健所が営業許可を取り消そうとする場合、いきなり取消処分はできません。まず聴聞の通知が届き、指定された日時に出頭して、あなたの言い分を口頭で述べる機会が与えられます。これが聴聞の手続です。
ケース②:医師免許の取消し
ある医師が重大な医療事故を起こし、厚生労働大臣が医師免許を取り消そうとしているとします。医師免許という重要な資格を奪う処分ですから、処分前に必ず聴聞が行われ、その医師には反論の機会が保障されます。
試験対策ポイント
「聴聞」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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