第三者効
だいさんしゃこう
ひとことで言うと
取消判決の効力が、訴訟の当事者だけでなく、訴訟に参加していなかった第三者にも及ぶこと。
くわしく解説
第三者効とは何のためにあるの?
通常の民事訴訟では、判決の効力は訴訟の当事者だけに及びます。AさんとBさんが争った裁判の結果は、関係のないCさんには影響しません。これが原則です。
しかし、行政事件訴訟では話が違います。例えば、ある建築許可が取り消されたのに、「自分は裁判に参加していなかったから関係ない」と第三者が主張できてしまったら、どうなるでしょうか?せっかくの判決が無意味になってしまいますよね。
なぜ第三者にも効力が及ぶの?
行政処分は、社会全体に関わる公的な行為です。許可や認可が有効なのか無効なのか、人によって結論が違っては困ります。
ポイントは、「行政処分の効力は、誰に対しても同じでなければならない」という考え方にあります。だからこそ、取消判決が出たら、訴訟に参加していなかった人にもその効力が及ぶのです。
根拠条文はどこにあるの?
行政事件訴訟法32条1項に規定されています。「処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する」と明記されています。
第三者効が認められる判決の種類
①取消訴訟の認容判決(処分を取り消す判決)
②無効等確認訴訟の認容判決
これらの判決には第三者効が認められます。一方、棄却判決(原告の請求を退ける判決)には第三者効はありません。処分が有効なままという結論は、もともと誰に対しても同じだからです。
試験で狙われるポイント
試験では、「認容判決には第三者効があるが、棄却判決にはない」という点がよく出題されます。また、第三者効は形成力の拡張として理解しておくと、判決の効力全体を整理しやすくなります。第三者の手続保障として訴訟参加の制度があることもセットで押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:建築許可の取消判決
Aさんが、隣人Bさんに出された建築許可の取消しを求めて訴訟を起こし、勝訴したとします。この場合、Bさんから建物を購入しようとしていたCさん(訴訟には参加していない)にも判決の効力が及びます。Cさんは「自分は裁判に関係なかった」とは言えず、許可が取り消された前提で行動しなければなりません。これが第三者効の典型例です。
ケース②:営業許可の取消判決
飲食店の営業許可が取消訴訟で取り消されたとします。その飲食店と取引していた仕入れ業者Dさんは、訴訟の当事者ではありませんでした。しかし、判決の第三者効により、Dさんも「営業許可は取り消された」という前提で法律関係を考えることになります。
試験対策ポイント
「第三者効」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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