形成力
けいせいりょく
ひとことで言うと
取消判決によって、行政処分がはじめからなかったことになる効力のこと。
くわしく解説
形成力ってどんな効力?
取消訴訟で原告が勝訴すると、裁判所は「この処分は違法だから取り消す」という判決を出します。このとき、判決によって処分の効力が消滅するという効力のことを「形成力」といいます。
ポイントは、「判決が出た瞬間に、法律関係が変わる」という点です。行政庁が何か手続をしなくても、判決だけで処分がなかったことになるのです。
なぜ「形成」というの?
「形成」とは、新しい法律関係を作り出したり、既存の法律関係を消滅させたりすることを意味します。
取消判決は、処分によって生じていた法律関係を消滅させる働きをします。つまり、判決が法律関係を「形成」し直すわけです。だから「形成力」と呼ばれています。
遡及効との関係は?
形成力の大きな特徴として、**遡及効(そきゅうこう)**があります。
取消判決が確定すると、処分ははじめからなかったこととして扱われます。処分があった時点にさかのぼって効力が消えるのです。
例えば、営業許可の取消処分が違法だと判断された場合、その取消処分は最初から存在しなかったことになり、営業許可はずっと有効だったという扱いになります。
判決の効力の中での位置づけ
取消判決には、形成力のほかにも重要な効力があります。
①既判力があること。同じ争点について再び争えなくなる効力です。
②第三者効があること。判決の効力が訴訟当事者以外の第三者にも及ぶ効力です。
③拘束力があること。行政庁が判決の趣旨に従って行動しなければならない効力です。
形成力はこれらと並ぶ、取消判決の基本的な効力の一つです。
試験ではここが狙われる!
試験では、「取消判決の効力を答えよ」という形式で出題されることがあります。形成力・既判力・第三者効・拘束力の4つをセットで覚えておきましょう。また、形成力には遡及効があるという点も頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:営業停止処分が取り消された場合
あなたが経営する飲食店が、衛生基準違反を理由に営業停止処分を受けたとします。しかし、裁判で争った結果、この処分は違法だという取消判決が出ました。形成力により、営業停止処分ははじめからなかったことになり、あなたはずっと営業できる状態だったという扱いになります。
ケース②:課税処分が取り消された場合
あなたに対して100万円の追加課税処分がされたとします。取消訴訟を提起して勝訴すると、形成力によりこの課税処分は最初から存在しなかったことになります。すでに納付していた場合は、返還を求めることができます。
試験対策ポイント
「形成力」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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