片務契約
へんむけいやく
ひとことで言うと
契約当事者の一方だけが債務を負担し、他方は債務を負わない契約のこと。
くわしく解説
片務契約とは何か?
片務契約とは、契約の当事者のうち一方だけが債務を負い、他方は何も義務を負わないという契約です。
たとえば、あなたが友人に「この本をあげるよ」と言って贈与する場合、友人は本をもらうだけで、何も返す義務はありません。このように、片側だけが義務を負うから「片務」と呼ばれるのです。
双務契約との違いは?
片務契約の対義語が双務契約です。双務契約は、お互いが対価的な債務を負う契約のこと。
売買契約を考えてみましょう。売主は「商品を渡す義務」を負い、買主は「代金を払う義務」を負います。お互いに義務があるので双務契約です。一方、贈与契約では、あげる人だけが「物を渡す義務」を負い、もらう人には何の義務もありません。これが片務契約です。
なぜ区別が重要なの?
片務契約か双務契約かで、法律効果が大きく変わるからです。
双務契約には同時履行の抗弁権が認められます。「相手が義務を果たさないなら、自分も果たさなくていい」という権利です。しかし片務契約では、そもそも一方だけしか義務を負っていないので、この権利は使えません。
また、危険負担のルールも異なります。双務契約では、一方の債務が履行不能になったとき、もう一方の債務がどうなるかが問題になりますが、片務契約ではこの問題は原則として生じません。
ポイントは、お互いに義務があるからこそ、バランスを取る制度が必要になるという考え方にあります。
具体例で考えよう
ケース①:無償で本を譲る贈与契約
あなたが後輩に「この参考書、もう使わないからあげるよ」と言って贈与したとします。この場合、あなたには本を渡す義務がありますが、後輩には何の義務もありません。これは片務契約の典型例です。
ケース②:無利息でお金を貸す消費貸借契約
友人に「利息はいらないから10万円貸すよ」と無利息で貸したとします。友人には返済する義務がありますが、あなたには利息を請求する権利がなく、ただお金を渡す義務だけを負います。これも片務契約に該当します。
試験対策ポイント
「片務契約」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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