同時履行の抗弁権
どうじりこうのこうべんけん
ひとことで言うと
双務契約において、相手方が自分の債務を履行するまで、自分も履行を拒める権利のこと。
くわしく解説
どんな場面で使える権利なの?
売買契約を例に考えてみましょう。あなたが車を100万円で買う約束をしたとします。売主が「車を引き渡す義務」を負い、あなたは「100万円を払う義務」を負います。このように、お互いが義務を負う契約を双務契約といいます。
同時履行の抗弁権とは、「相手が先に履行してくれないなら、私も履行しない」と主張できる権利です。民法533条に規定されています。
なぜこんな権利が必要なの?
双務契約では、お互いの義務は対価関係にあります。つまり「これをあげるから、それをちょうだい」という交換の関係です。
もし一方だけが先に履行しなければならないとすると、相手が約束を破ったときに大きな損をしてしまいます。だから法律は、「相手が履行するまで、自分も履行しなくていい」という権利を認めているのです。ポイントは、公平性の確保にあります。
使える条件は?
①双務契約であること。お互いに義務を負う契約でなければ使えません。
②相手の債務と自分の債務が対価関係にあること。
③同時履行の関係にあること。どちらかが先に履行する約束になっている場合は使えません。
試験で狙われるポイント
弁済の提供との関係がよく問われます。同時履行の抗弁権がある場合、相手が提供しない限り、自分も「口頭の提供」で足ります。現実に履行する必要はありません。
具体例で考えよう
ケース①:中古車の売買
あなたがBさんから中古車を50万円で買う契約をしました。引渡しと代金支払いは同時と約束しています。ところがBさんが「先に50万円を払え」と要求してきました。このとき、あなたは「車を渡してくれないなら、私もお金を払いません」と主張できます。これが同時履行の抗弁権です。
ケース②:家の売買
あなたが不動産を売却する契約をしました。買主が「先に登記を移転しろ。代金は後で払う」と言ってきた場合、あなたは「代金をもらうまで登記は移転しません」と拒むことができます。お互いの義務は同時に履行されるべきだからです。
試験対策ポイント
「同時履行の抗弁権」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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