無権代理
むけんだいり
ひとことで言うと
代理権がないのに、他人の代理人として契約などの法律行為をすること。
くわしく解説
無権代理とは何か?
無権代理とは、代理権がない人が、あたかも代理人であるかのように振る舞って契約などをすることです。例えば、AさんがBさんに何の権限も与えていないのに、BさんがAさんの代理人だと名乗って土地を売ってしまうような場合です。
ポイントは、「本人は何も頼んでいない。でも、相手方は代理人だと信じて契約してしまった」という構図にあります。
無権代理の効果はどうなるの?
原則として、本人には効果が及びません。本人が追認すれば契約は有効になりますが、追認しなければ本人は契約に縛られません。
これは当然ですよね。頼んでもいない契約に、なぜ本人が責任を負わなければならないのでしょうか。
相手方は守られないの?
相手方(契約の相手)も困ってしまいます。そこで民法は、相手方を保護するために次の手段を用意しています。
①無権代理人への責任追及ができること。無権代理人に対して、契約の履行または損害賠償を請求できます。
②催告権があること。相手方から本人に対して「追認するかしないか、返事をください」と催告できます。
③取消権があること。本人が追認するまでは、相手方から契約を取り消すことができます(ただし、悪意の場合を除く)。
試験で狙われるポイント
無権代理と相続の論点は頻出です。無権代理人が本人を相続した場合や、その逆のパターンで、追認拒絶ができるかどうかが問われます。また、表見代理との関係も重要です。表見代理が成立すれば、本人に効果が帰属してしまうからです。
具体例で考えよう
ケース①:勝手に土地を売却
Aさんの息子Bさんが、父の代理人と偽ってAさん所有の土地をCさんに売却したとします。しかし、AさんはBさんに代理権を与えていませんでした。この場合、Aさんが追認しなければ売買契約は有効にならず、CさんはBさんに対して責任追及できます。これが無権代理の典型例です。
ケース②:友人の名前で借金
DさんがEさんの代理人と名乗って、銀行から100万円を借りたとします。しかし実際にはEさんから何の委任も受けていませんでした。Eさんが追認を拒否すれば、Eさんは返済義務を負いません。銀行はDさん個人に責任を追及することになります。
試験対策ポイント
「無権代理」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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