法人の人権
ほうじんのじんけん
ひとことで言うと
会社などの法人にも、その性質上可能な範囲で、憲法上の人権保障が及ぶとする考え方のこと。
くわしく解説
法人にも人権があるってどういうこと?
憲法が保障する人権は、本来は「人間」のためのものです。でも、会社や学校法人などの法人にも、人権は認められるのでしょうか?
判例は、「法人にも、性質上可能な限り、憲法の人権規定が適用される」という立場をとっています。つまり、人間にしかできない権利は無理だけど、法人でも持てる権利は憲法で保障されるということです。
どんな人権が認められるの?
法人に認められる代表的な人権には、次のようなものがあります。
①表現の自由や経済活動の自由があること。企業が広告を出したり、営業活動をする自由は保障されます。
②財産権があること。法人が所有する土地や建物などの財産も、憲法で保護されます。
③裁判を受ける権利があること。法人も訴訟を起こしたり、防御したりする権利があります。
逆に、選挙権や生存権など、人間の尊厳に直結する権利は、法人には認められません。
なぜ法人にも人権が必要なの?
現代社会では、法人の活動が経済や文化に大きな影響を与えています。法人を通じて人々が活動する以上、法人の権利を保障することは、結果的に個人の権利を守ることにもつながるのです。
ポイントは、「法人も社会の重要なプレーヤーである以上、その活動の自由は憲法で守られるべきだ」という考え方にあります。
具体例で考えよう
ケース①:企業の政治献金
大手企業A社が、政治団体に寄付をしたいと考えているとします。これは企業の政治的な表現活動の一つとして、憲法上の表現の自由で保護される可能性があります。判例も、法人の政治献金を一定の範囲で認めています。
ケース②:宗教法人の信教の自由
宗教法人B寺が、行政から宗教活動への不当な干渉を受けたとします。この場合、B寺は法人として信教の自由を主張し、憲法20条に基づいて保護を求めることができます。法人であっても、その性質に応じた人権保障が及ぶのです。
試験対策ポイント
「法人の人権」は憲法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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