比例原則
ひれいげんそく
ひとことで言うと
行政目的を達成するために必要最小限の手段を選ばなければならないという原則のこと。
くわしく解説
なぜ「必要最小限」でなければならないの?
行政は、私たちの生活に大きな影響を与える権力を持っています。でも、その権力を好き勝手に使われたら困りますよね。
比例原則のポイントは、「目的を達成できるなら、国民への負担は最小限にすべきだ」という考え方にあります。大砲でスズメを撃つような、やりすぎの行政活動は許されないのです。
比例原則の3つの内容とは?
比例原則は、次の3つの要素から成り立っています。
①適合性があること。その手段が、目的達成に役立つものでなければなりません。まったく効果のない手段では意味がありませんよね。
②必要性があること。目的を達成できる手段が複数あるなら、国民への侵害が最も小さい手段を選ぶ必要があります。これを「最小侵害原則」とも呼びます。
③狭義の比例性があること。手段によって得られる利益と、国民が受ける不利益を比較して、不利益が大きすぎてはいけません。
どこから生まれた原則なの?
もともとはドイツの警察法で発展した考え方です。警察権の行使は必要最小限でなければならない、という警察比例の原則がルーツになっています。
現在では、警察活動だけでなく、あらゆる行政活動に適用される行政法の一般原則として認められています。
試験ではここが狙われる!
比例原則は、裁量権の逸脱・濫用の判断基準として出題されることが多いです。行政庁の判断が比例原則に反していれば、裁量権の濫用として違法になります。
また、権限濫用禁止の原則との関係も押さえておきましょう。比例原則は、権限濫用を判断する際の具体的な基準の一つとして機能します。
具体例で考えよう
ケース①:営業停止処分の期間
飲食店が軽い衛生違反をしたとします。この場合、改善指導で十分なのに、いきなり1年間の営業停止処分を下すのは「やりすぎ」です。これは比例原則に反し、裁量権の濫用として違法になる可能性があります。
ケース②:デモ行進の規制
デモ行進を規制する場合を考えてみましょう。交通整理で対応できるのに、デモ自体を全面禁止にするのは必要性を欠きます。目的達成に必要な最小限の規制にとどめるべきであり、全面禁止は比例原則違反となりえます。
試験対策ポイント
「比例原則」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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