ロゴ行政書士になる子ちゃん
行政法行政法総論

権限濫用禁止の原則

けんげんらんようきんしのげんそく

📌

ひとことで言うと

行政庁が与えられた権限を本来の目的とは異なる目的で行使することを禁止する原則のこと。

なる子ちゃん

くわしく解説

なぜ権限の「濫用」が問題になるの?

行政庁には、法律によってさまざまな権限が与えられています。しかし、その権限は無制限に使えるわけではありません

たとえば、建築許可を出す権限を持つ役所が、「あの人は気に入らないから許可を出さない」といった理由で権限を使ったらどうでしょうか。これは明らかに不当ですよね。

権限濫用禁止の原則のポイントは、「権限があるからといって、何でも自由にできるわけではない。目的に沿った使い方をしなさい」という考え方にあります。


どんな場合に「濫用」になるの?

権限の濫用とは、形式的には法律の範囲内であっても、実質的に見て不当な使い方をしている場合をいいます。

具体的には、以下のようなケースが該当します。

①目的違反があること。権限を本来の目的とは異なる目的のために使う場合です。

②動機の不正があること。個人的な感情や私利私欲に基づいて権限を行使する場合です。

③比例原則違反があること。目的達成のために必要以上に過大な手段をとる場合です。


「裁量権の逸脱・濫用」との関係は?

行政事件訴訟法30条では、裁量権の逸脱・濫用があった場合に、裁判所が処分を取り消せると規定しています。

「逸脱」は権限の範囲を超えること、「濫用」は範囲内だけど不当な使い方をすることです。権限濫用禁止の原則は、この「濫用」の部分と深く関わっています。


試験ではここが狙われる!

試験では、具体的な事例を示して「この処分は権限の濫用にあたるか?」と問われることがあります。処分の目的と実際の動機が一致しているか手段が過大ではないかをチェックする視点を持っておきましょう。比例原則や信義誠実の原則とセットで出題されることも多いです。

なる子ちゃん

具体例で考えよう

ケース①:競合他社を排除するための営業許可取消し

ある市の担当者が、自分の親族が経営する店のライバル店に対して、些細な違反を理由に営業許可を取り消したとします。形式的には法律に基づいていますが、実際の目的は競合排除でした。これは権限濫用禁止の原則に反し、違法な処分となります。

ケース②:報復目的での税務調査

税務署の職員が、以前トラブルになった納税者に対して、嫌がらせ目的で執拗に税務調査を行ったとします。調査権限自体は認められていますが、私的な報復目的での行使は権限の濫用にあたり、違法となる可能性があります。

試験対策ポイント

権限濫用禁止の原則」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。

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