時効の援用
じこうのえんよう
ひとことで言うと
時効によって利益を受ける者が、時効の完成という事実を主張して、その効果を確定的に受けることを意思表示すること。
くわしく解説
時効が完成したら、自動的に効果が発生するの?
消滅時効が完成したとき、自動的に債務が消えるわけではありません。時効の完成によって利益を受ける人(債務者など)が、「時効が完成したので、もう支払いません」と主張する必要があります。これを時効の援用といいます。
援用は、時効によって得られる利益を確定的に受けるための意思表示です。援用しなければ、時効が完成していても、その効果を受けることはできません。
誰が援用できるの?
時効の援用ができるのは、時効によって直接利益を受ける者に限られます。
具体的には、①債務者本人、②保証人、③物上保証人(自分の財産を他人の債務の担保に入れた人)などが援用できます。第三者が勝手に援用することはできません。
援用の方法は?
援用の方法に特別な決まりはありません。口頭でも書面でもOKです。ただし、裁判になった場合は、裁判上で援用の意思を明確に示す必要があります。
試験で問われるポイント
時効が完成しても、援用がなければ効果は確定しないという点が最重要です。また、援用権者の範囲(誰が援用できるか)も頻出テーマです。保証人や物上保証人は援用できるが、単なる第三者はできない、という違いを押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:借金の時効が完成した場合
AさんはBさんから100万円を借りましたが、返済しないまま5年が経過し、消滅時効が完成しました。しかし、Aさんが何も言わなければ、Bさんは依然として請求できる状態です。Aさんが「時効が完成したので支払いません」と援用して初めて、債務が消滅します。これが時効の援用です。
ケース②:保証人が援用する場合
CさんはDさんの借金の保証人になっていました。主債務について消滅時効が完成した場合、保証人Cさんも「時効が完成しているので保証債務も履行しません」と援用することができます。保証人は時効によって直接利益を受ける者だからです。
試験対策ポイント
「時効の援用」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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