時効の完成猶予
じこうのかんせいゆうよ
ひとことで言うと
時効の完成が迫っているときに、一定の事由があると時効の完成が一時的にストップされる制度のこと。
くわしく解説
時効の完成猶予とは何か?
時効の完成が目前に迫っているとき、「もう少しで時効だから権利が消滅する!」という場面で、一定の事由があると時効の完成が一時的にストップする制度です。
ポイントは「完成を猶予する(先延ばしにする)」という点にあります。時効期間がリセットされるわけではなく、あくまで「ちょっと待った!」と完成を止めているだけです。
時効の更新との違いは?
似た制度に時効の更新があります。これは混同しやすいので注意が必要です。
完成猶予は、時効の完成を一時的に止めるだけ。猶予事由が終われば、そこからまた時効が進み始めます。
一方、更新は、時効期間をゼロからリセットします。更新事由があると、それまでの時効期間がなかったことになり、新たに時効が進行し直します。
どんなときに完成猶予されるの?
代表的なものを挙げます。
①裁判上の請求があったとき。訴訟を起こしている間は、時効の完成が猶予されます。
②催告をしたとき。内容証明郵便などで「支払ってください」と請求すれば、6か月間だけ完成が猶予されます。
③強制執行や仮差押えなどの手続きをしたとき。これらの手続き中も完成が猶予されます。
試験で狙われるポイント
催告による完成猶予は6か月間だけという点がよく問われます。また、催告を繰り返しても、猶予は延長されません。催告後は、裁判など別の手段を取る必要があります。
具体例で考えよう
ケース①:催告による完成猶予
AさんがBさんに100万円を貸しており、消滅時効の完成まであと1か月というタイミングで、内容証明郵便で「返済してください」と催告したとします。この場合、催告から6か月間は時効の完成が猶予されます。その間にAさんが訴訟を起こせば、さらに完成猶予が続きます。
ケース②:裁判上の請求による完成猶予
CさんがDさんに対して貸金返還請求訴訟を起こしたとします。訴訟を提起した時点から、判決が確定するまでの間、時効の完成は猶予されます。判決が確定すれば、そこで時効が更新され、新たに10年の時効期間が始まります。
試験対策ポイント
「時効の完成猶予」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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