既判力
きはんりょく
ひとことで言うと
確定判決の内容が、当事者や裁判所を拘束し、後の訴訟で同じ事項について争えなくなる効力のこと。
くわしく解説
既判力とは何のためにあるの?
みなさんが裁判で勝ったとします。でも、相手が「納得いかない!」と何度も同じ内容で訴えてきたらどうでしょう?せっかく勝ったのに、いつまでも争いが終わりませんよね。
既判力は、こうした「蒸し返し」を防ぐための効力です。ポイントは、「一度確定した判決の内容は、当事者も裁判所も覆せない」という考え方にあります。
どんな効果があるの?
既判力には2つの重要な効果があります。
①当事者に対する拘束力があること。確定判決が出た後は、同じ当事者が同じ事項について「あのときの判断は間違っていた」と争うことができなくなります。
②後の裁判所に対する拘束力があること。別の訴訟で同じ問題が出てきたとき、裁判所は前の確定判決と矛盾する判断をすることができません。
既判力が生じる範囲は?
既判力が及ぶのは、原則として判決主文に包含されるものに限られます。つまり、「原告の請求を棄却する」「処分を取り消す」といった結論部分です。
判決の理由中で示された判断(例:「この処分は違法だが、損害はなかった」など)には、原則として既判力は生じません。これを覚えておくと、どこまでが「蒸し返し禁止」なのか判断しやすくなります。
行政事件訴訟法での注意点は?
取消訴訟で処分が取り消された場合、その取消判決には第三者効も認められています(行政事件訴訟法32条)。これは、訴訟の当事者だけでなく第三者に対しても効力が及ぶというものです。
試験では、既判力・形成力・第三者効の違いがよく問われます。既判力は「蒸し返し禁止」、形成力は「法律関係の変動」、第三者効は「第三者への効力拡張」と整理しておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:処分取消訴訟で敗訴した場合
あなたが営業許可の取消処分を受け、取消訴訟を提起しましたが、請求棄却の判決が確定したとします。その後、同じ処分について「やっぱり違法だった」と再度訴えることは、既判力によって認められません。
ケース②:勝訴判決後に行政庁が同じ処分をした場合
取消訴訟であなたが勝訴し、処分が取り消されたとします。その後、行政庁が全く同じ理由・同じ内容で再び処分をしてきた場合、前の判決の既判力に反するため、その処分は違法となります。
試験対策ポイント
「既判力」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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