撤回権の留保
てっかいけんのりゅうほ
ひとことで言うと
行政行為を行う際に、将来その行為を撤回できる権利をあらかじめ確保しておくこと。
くわしく解説
撤回権の留保って何のためにあるの?
行政庁が許可や認可などの行政行為をするとき、「後から取り消せるようにしておきたい」と思うことがあります。そこで、行政行為をする際に「一定の条件を満たしたら撤回しますよ」とあらかじめ宣言しておくのが撤回権の留保です。
ポイントは、「撤回できる根拠を、最初から明確にしておく」という考え方にあります。
なぜ留保が必要なの?
行政行為の撤回は、相手方の権利や利益に大きな影響を与えます。そのため、好き勝手に撤回することはできません。
しかし、最初から「こういう事情が生じたら撤回します」と条件を示しておけば、相手方も予測ができます。これにより、撤回が正当化しやすくなるのです。
具体的にはどう使われるの?
撤回権の留保は、行政行為の附款の一種として付けられます。
例えば、営業許可を与える際に「法令違反があった場合は許可を撤回する」という条件をつけておきます。これが撤回権の留保です。
撤回権の留保がなくても撤回できる?
実は、留保がなくても撤回できる場合があります。公益上の必要性が高い場合や、相手方に義務違反がある場合などです。
ただし、留保があれば、撤回の根拠が明確になるため、行政庁にとっては撤回しやすくなるというメリットがあります。相手方も最初から条件を知っているので、「不意打ち」にはなりません。
試験ではここが狙われる!
試験では、附款の種類として撤回権の留保が出題されることがあります。「条件」「期限」「負担」などと並んで、附款の一種であることを押さえておきましょう。また、行政行為の撤回との違い(撤回そのものではなく、撤回できる権利を確保しておくこと)も重要です。
具体例で考えよう
ケース①:飲食店の営業許可
飲食店を開業するために営業許可を取得したとします。このとき、許可証に「衛生基準に違反した場合は許可を撤回する」と記載されていました。これが撤回権の留保です。後に衛生基準違反が発覚した場合、行政庁はこの留保に基づいて許可を撤回できます。
ケース②:道路占用許可
工事のために道路を一時的に使用する許可を受けたとします。許可の際に「公益上必要が生じた場合は撤回することがある」と条件が付けられていました。道路の緊急工事が必要になった場合、行政庁はこの留保を根拠に占用許可を撤回できます。
試験対策ポイント
「撤回権の留保」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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