必要的執行停止
ひつようてきしっこうていし
ひとことで言うと
審査請求人の申立てにより、一定の要件を満たす場合に審査庁が必ず執行停止をしなければならない制度のこと。
くわしく解説
「必ず止めなければならない」ってどういうこと?
行政不服審査法には、処分の効力を一時的にストップさせる「執行停止」という制度があります。この執行停止には2種類あり、裁量的執行停止と必要的執行停止に分かれます。
裁量的執行停止は、審査庁が「止めてもいいかな」と判断すれば止められるもの。一方、必要的執行停止は、一定の条件を満たせば審査庁が必ず止めなければならないものです。
ポイントは、「申立人を守るために、法律が審査庁の裁量を奪っている」という考え方にあります。
どんなときに必要的執行停止になるの?
行政不服審査法25条4項に規定されています。次の要件をすべて満たす必要があります。
①審査請求人からの申立てがあること。職権ではなく、申立てが必要です。
②処分、処分の執行または手続の続行により生じる重大な損害を避けるため緊急の必要があること。
③本案について理由がないとみえるときに該当しないこと。つまり、審査請求が明らかに負けそうな場合は除外されます。
④公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがないこと。社会全体に大きな悪影響があるなら、止められません。
裁量的執行停止との違いは?
裁量的執行停止では、審査庁は「必要があると認めるとき」に執行停止をすることができるとされています。つまり、やるかやらないかは審査庁の判断次第です。
これに対し、必要的執行停止では、要件を満たせば審査庁は執行停止をしなければならないのです。審査庁に選択の余地はありません。
試験ではここが狙われる!
試験では、「必要的執行停止の要件」と「裁量的執行停止との違い」がよく問われます。特に、申立てが必要であること、職権では必要的執行停止にならないことを押さえておきましょう。また、行政事件訴訟法の執行停止との比較問題も頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:営業停止処分を受けた飲食店
あなたが飲食店を経営していて、衛生上の問題があるとして30日間の営業停止処分を受けたとします。審査請求をしましたが、このまま処分が執行されると店が潰れてしまいます。重大な損害を避けるため緊急の必要があり、審査請求に理由がないとはいえない場合、申立てをすれば審査庁は必ず執行停止をしなければなりません。これは必要的執行停止の対象になります。
ケース②:建築確認の取消処分
あなたがビル建設中に建築確認を取り消す処分を受けたとします。工事を止められると莫大な損害が発生し、緊急に止める必要があります。公共の福祉への重大な影響もなく、審査請求が明らかに理由がないわけでもない場合、申立てにより審査庁は執行停止をしなければなりません。これも必要的執行停止の対象になります。
試験対策ポイント
「必要的執行停止」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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