強迫
きょうはく
ひとことで言うと
相手を脅して畏怖させ、その恐怖心によって意思表示をさせる違法な行為のこと。
くわしく解説
強迫とは何か?
強迫とは、相手を脅して恐怖心を抱かせ、その恐怖によって契約などの意思表示をさせることです。たとえば「契約しないと危害を加えるぞ」と脅されて契約した場合がこれにあたります。
強迫による意思表示は、取り消すことができます。詐欺と似ていますが、強迫の方がより悪質なため、保護の仕方に違いがあります。
詐欺との決定的な違いは?
詐欺は「嘘をついて騙す」のに対し、強迫は「脅して恐怖心を与える」という点で異なります。
そして最も重要な違いは、第三者との関係です。詐欺で取り消した場合、善意の第三者には対抗できません。しかし強迫で取り消した場合は、善意の第三者にも対抗できます。なぜなら、強迫された人は詐欺された人より保護する必要性が高いからです。
成立するための2つの条件
①相手を畏怖させる行為があること。単なる説得や強い勧誘ではなく、相手が恐怖を感じる程度の脅しが必要です。
②その畏怖によって意思表示をしたこと。恐怖心と意思表示の間に因果関係がなければなりません。
試験で狙われるポイント
第三者による強迫も、相手方が知っていたか、または知ることができた場合には取り消せます。この点、詐欺よりも要件が緩やかです。また、強迫による取り消しには善意の第三者保護規定がない点が頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:暴力団員による脅迫
Aさんが自宅を売却する契約をBさんと結んだとします。しかし実は、Bさんの知人である暴力団員が事前にAさんを脅し、「この契約をしないと家族に危害が及ぶ」と言っていました。Aさんは恐怖のあまり契約してしまいました。これは強迫にあたり、Aさんは契約を取り消すことができます。
ケース②:善意の第三者が現れた場合
Aさんが強迫されてBさんに土地を売却し、その後BさんがCさんに転売したとします。Cさんは強迫の事実を全く知らない善意の第三者でした。それでもAさんは強迫を理由に契約を取り消すことができ、Cさんに対抗できます。これが詐欺との大きな違いです。
試験対策ポイント
「強迫」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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