履行遅滞
りこうちたい
ひとことで言うと
債務者が、決められた期限を過ぎても債務を履行しない状態のこと。
くわしく解説
履行遅滞とは何か?
履行遅滞は、債務者が期限までに債務を履行しなかったときに成立する債務不履行の一つです。例えば、3月末に支払うと約束していたのに、4月になっても支払わないケースがこれにあたります。
ポイントは、まだ履行できるのに、期限に遅れているだけという点にあります。
成立するための3つの条件
①履行が可能であること。まだ実現できる状態にあることが必要です。不可能になっていれば履行不能となります。
②履行期が到来していること。期限が定められている場合は、その期限を過ぎていなければなりません。
③履行しないことについて債務者に帰責事由があること。ただし、金銭債務については帰責事由は不要とされます。
他の債務不履行との違いは?
履行不能は、もはや履行が物理的・法律的に不可能な状態です。一方、履行遅滞は、遅れているだけでまだ履行できます。
不完全履行は、一応履行したものの、その内容が不十分だったり欠陥があったりする場合です。履行遅滞は「まだ履行していない」点で異なります。
履行遅滞になったらどうなるの?
債権者は、損害賠償請求ができます。また、契約を解除することも可能です。ただし解除には、原則として催告が必要になります。
試験では、履行遅滞と履行不能の区別、そして金銭債務の特則(帰責事由不要、損害額の証明不要)がよく問われます。
具体例で考えよう
ケース①:期限付き売買代金の支払い遅れ
あなたがパソコンを購入し、3月31日までに代金10万円を支払う約束をしたとします。しかし4月10日になっても支払っていません。パソコンはすでに受け取っており、お金もあるのに支払わない状態です。これは履行遅滞にあたり、売主は遅延損害金を請求できます。
ケース②:建物賃料の滞納
アパートを借りていて、毎月末日に家賃5万円を支払う契約だったとします。ところが2か月分を滞納してしまいました。まだ支払い能力はあるのに期限を過ぎている状態です。これは履行遅滞であり、賃貸人は催告したうえで契約を解除することも可能です。
試験対策ポイント
「履行遅滞」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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