不完全履行
ふかんぜんりこう
ひとことで言うと
債務者が債務の本旨に従った履行をしなかった場合のうち、履行はされたものの不完全な内容だったため債権者に損害が生じた状態のこと。
くわしく解説
不完全履行とは何が「不完全」なの?
債務者が一応は履行したものの、債務の本旨に従っていないため、債権者が満足できない状態を指します。たとえば、商品は届いたけれど壊れていた、修理はしたけれど不十分だった、というケースです。
履行遅滞や履行不能と並ぶ、債務不履行の一類型として位置づけられています。
なぜ重要なの?
不完全履行のポイントは、「形の上では履行されているが、中身が伴っていない」という点にあります。そのため、債権者は損害賠償を請求できるだけでなく、場合によっては契約の解除も可能になります。
特に売買契約では、現在の民法では契約不適合責任として整理されており、引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約内容に適合しない場合、買主は追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、解除などができます。
どんな場合に成立するの?
不完全履行が認められるための条件は次の通りです。
①履行行為があったこと。何らかの給付はされている必要があります。
②債務の本旨に従っていないこと。契約で定められた内容や、取引通念上期待される水準を満たしていません。
③債務者に帰責事由があること。ただし、契約不適合責任では無過失責任とされる場合もあります。
試験での注意点
不完全履行と契約不適合責任の関係を整理しておきましょう。令和2年の民法改正により、売買における不完全履行は契約不適合責任として明確に規定されました。この改正内容は頻出です。
具体例で考えよう
ケース①:壊れた商品が届いた
あなたがネット通販で新品のパソコンを注文したところ、商品は届きましたが、画面にヒビが入っていて使えない状態でした。売主は「商品を引き渡した」と主張するかもしれませんが、壊れた商品では債務の本旨に従った履行とはいえません。これは不完全履行にあたり、あなたは修理や交換を求めたり、損害賠償を請求したり、契約を解除したりできます。
ケース②:欠陥のある修理
あなたが車の修理を依頼し、修理業者は作業を完了したと言いますが、実際には不十分な修理で、すぐにまた故障してしまいました。修理という履行はされていますが、完全な状態に直すという債務の本旨を満たしていません。これも不完全履行として、再修理の請求や損害賠償請求が可能です。
試験対策ポイント
「不完全履行」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
関連用語
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。