実質的当事者訴訟
じっしつてきとうじしゃそしょう
ひとことで言うと
公法上の法律関係に関する訴訟のうち、国や公共団体と対等な立場で権利義務を争う訴訟のこと。
くわしく解説
「当事者訴訟」って何を争うの?
まず、行政事件訴訟法には「当事者訴訟」という訴訟類型があります。これは大きく形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟の2つに分かれます。
今回の実質的当事者訴訟は、公法上の法律関係について争う訴訟です。ポイントは「国や公共団体と対等な立場で争える」という点にあります。
「取消訴訟」との違いは?
取消訴訟は、行政庁の処分を取り消してほしいと訴える訴訟です。つまり「行政が上、国民が下」という関係で、処分の違法性を攻撃します。
一方、実質的当事者訴訟は、処分とは関係なく、公法上の権利や地位を直接確認したり、給付を求めたりする訴訟です。国と国民が対等な当事者として争うイメージです。
どんな種類があるの?
実質的当事者訴訟には主に2つのタイプがあります。
①確認訴訟…公法上の法律関係の確認を求めるもの。例えば「自分が日本国籍を持っていること」の確認などです。
②給付訴訟…公法上の法律関係に基づく給付を求めるもの。例えば「公務員としての俸給(給料)の支払い」を求める訴訟などです。
なぜ重要なの?
2004年の行政事件訴訟法改正で、「公法上の法律関係に関する確認の訴え」が明文化されました。これにより、処分性がない行政活動に対しても、実質的当事者訴訟で救済を受けられる道が広がりました。
取消訴訟では救済できないケースの受け皿として、試験でも頻出のテーマです。「処分性がないから取消訴訟はダメ。でも実質的当事者訴訟なら争える」というパターンを押さえておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:国籍確認訴訟
海外で生まれた方が「自分は日本国籍を持っている」と主張したいとします。国籍の有無は行政処分ではないため、取消訴訟では争えません。そこで「自分が日本国民であること」の確認を求める訴訟を起こします。これは実質的当事者訴訟の対象になります。
ケース②:公務員の給与請求訴訟
公務員の方が「約束された俸給が支払われていない」と訴えたいとします。公務員と国・地方公共団体の給与関係は公法上の法律関係です。この場合、給付を求める訴訟として実質的当事者訴訟を提起することになります。
試験対策ポイント
「実質的当事者訴訟」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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