失踪宣告の取消し
しっそうせんこくのとりけし
ひとことで言うと
失踪宣告を受けた人が生存していた場合や、死亡とみなされた時期が実際と異なる場合に、本人や利害関係人の請求によって失踪宣告の効力を取り消す制度のこと。
くわしく解説
失踪宣告の取消しとは何か?
失踪宣告によって「死亡したもの」とみなされた人が、実は生きていた!そんなとき、どうすればいいのでしょうか。その答えが失踪宣告の取消しです。
本人や利害関係人の請求により、家庭裁判所が失踪宣告を取り消す制度です。生存が判明したり、死亡時期が実際と違っていたことがわかった場合に使われます。
取消しの効果はどうなる?
ポイントは「失踪宣告は取り消されるが、すでに行われた法律行為はすべて無効になるわけではない」という点です。
取消しによって、失踪宣告は遡って(さかのぼって)無効になります。つまり、その人は最初から死んでいなかったことになります。
ただし、善意の第三者に対しては、取消しの効力を主張できません(民法32条)。たとえば、失踪者の財産を相続人から善意で買い取った人がいた場合、その人の権利は保護されます。これは取引の安全を守るための重要なルールです。
試験で注意すべきポイント
①取消しの効力は原則として遡及しますが、②善意の第三者には対抗できないという2つの効果の違いをしっかり理解しましょう。
また、失踪宣告の取消しと、普通失踪や特別失踪の要件との組み合わせ問題もよく出題されます。
具体例で考えよう
ケース①:7年間行方不明だった夫が帰ってきた
夫が7年間行方不明で、妻が失踪宣告を受けて相続しました。その後、夫が生存していることが判明したとします。この場合、夫や妻は家庭裁判所に失踪宣告の取消しを請求できます。取消しにより、夫は法律上「死んでいなかった」ことになります。
ケース②:相続財産を善意で購入した第三者
失踪宣告により夫の財産を相続した妻が、その土地をCさんに売却しました。その後、失踪宣告が取り消されたとします。しかし、Cさんが夫の生存を知らずに(善意で)購入していた場合、夫はCさんに対して土地の返還を求めることができません。これが善意の第三者保護の考え方です。
試験対策ポイント
「失踪宣告の取消し」は民法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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