名板貸し
めいばんがし
ひとことで言うと
自分の商号を他人に使わせた商人が、その他人を信じて取引した第三者に対して責任を負う制度のこと。
くわしく解説
名板貸しって何?なぜ責任を負うの?
名板貸しとは、自分の商号(お店の名前や会社名)を他人に使わせることです。商法では、こうして商号を貸した人は、その名前を信じて取引した第三者に対して、実際に取引した人と連帯して責任を負うと定められています。
ポイントは、「名前だけ貸して何もしていないから関係ない、とは言えない」という考え方にあります。あなたの信用ある名前を使わせたことで、第三者が安心して取引したのですから、責任を負うのは当然だというわけです。
成立するための条件は?
名板貸しの責任が生じるには、以下の要件が必要です。
①自己の商号を使用することを許諾したこと。名前を貸すことに同意していなければなりません。
②他人がその商号を使用して営業や取引を行ったこと。実際にその名前で商売が行われている必要があります。
③第三者が、商号の使用を許諾した者が営業を行っているものと誤認したこと。第三者が名義人本人と取引していると信じたことが必要です。
なぜこんなルールがあるの?
商号には信用が集まります。有名な商号なら「ここなら安心」と思って取引する人が出てきます。もし名前だけ貸して無責任に放置できるなら、悪用されて被害者が出てしまいます。
そこで商法は、名前を貸した以上は責任も負いなさいという厳しいルールを設けているのです。試験では、表見支配人とセットで出題されることもあるので、両者の違いを整理しておきましょう。
具体例で考えよう
ケース①:老舗和菓子店の名前を貸したケース
地域で信用のある「〇〇堂」という和菓子店の店主Aさんが、知人Bに「うちの名前を使って支店を出していいよ」と許可したとします。Bは「〇〇堂△△支店」として営業を始め、材料業者Cから大量の小豆を仕入れましたが、代金を支払わず逃げてしまいました。この場合、Cは「〇〇堂」という信用ある名前を信じて取引したので、Aさんに対しても代金を請求できます。これが名板貸しの責任です。
ケース②:実質的に経営に関与していないケース
Dさんは自分の商号「D商事」をEに使わせましたが、経営には一切タッチせず、名前だけを貸していました。Eが取引先Fに商品代金を支払わなかった場合でも、Fが「D商事」の看板を見て取引したのであれば、DさんはEと連帯して責任を負います。「実際には何もしていない」という言い訳は通用しません。
試験対策ポイント
「名板貸し」は商法・基礎の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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