原告適格
げんこくてきかく
ひとことで言うと
取消訴訟などを提起できる「訴える資格」のこと。処分によって自分の法律上の利益が侵害された者に認められる。
くわしく解説
原告適格とは何か?
取消訴訟を起こすためには、「訴える資格」が必要です。これを原告適格といいます。
誰でも訴訟を起こせるわけではありません。「その処分によって、あなた自身の法律上の利益が侵害されていますか?」という問いに答えられる人だけが、訴訟を提起できるのです。
なぜ原告適格が必要なの?
行政事件訴訟法9条1項は、「処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者」に原告適格を認めています。
ポイントは、「単なる不満ではダメ。法律によって保護された利益が侵害されている必要がある」という考え方にあります。近所に大型店ができて売上が減ったとしても、それだけでは「経済的な不利益」にすぎず、原告適格は認められないことがあります。
判断基準は?9条2項の考慮要素
平成16年の法改正で、原告適格の判断基準が明文化されました。裁判所は以下の要素を考慮します。
①根拠法令の趣旨・目的を考慮すること。その法律が何を守ろうとしているのかを検討します。
②侵害される利益の内容・性質を考慮すること。生命・健康など重大な利益ほど保護されやすくなります。
③処分がされた場合に害される利益の内容・程度を考慮すること。被害が重大かつ回復困難であれば、原告適格が認められやすくなります。
試験で問われるポイント
判例では、周辺住民に原告適格が認められるかが頻出です。例えば、原子炉設置許可処分では周辺住民に原告適格が認められました(もんじゅ訴訟)。一方、単なる営業上の競争者には認められにくい傾向があります。
「法律上保護された利益」か「反射的利益(法律が偶然もたらした利益)」かの区別が、合否を分けるカギです。
具体例で考えよう
ケース①:原発の近くに住む住民
あなたの家から30km先に原子力発電所が建設されることになったとします。万が一の事故で生命・健康に重大な被害を受ける可能性があります。この場合、原発設置許可処分について、あなたには原告適格が認められます。
ケース②:競合するパチンコ店の経営者
あなたはパチンコ店を経営しています。近くに新しいパチンコ店の営業許可が出て、お客さんが減ったとします。しかし、営業許可の根拠法令は既存業者の営業利益を保護する趣旨ではないため、原告適格は認められにくいです。
試験対策ポイント
「原告適格」は行政法の頻出ワードです。 用語の定義と、それがどの場面で問題になるかをセットで覚えましょう。
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